北海道の経済を支える大黒柱、北洋銀行が2019年11月11日に発表した2019年4月から2019年9月期までの連結決算は、現在の地方銀行が置かれた厳しい環境を象徴する内容となりました。最終的な利益を示す純利益は前年同期に比べて28%減少し、50億円にとどまっています。
この利益減少の背景には、日本銀行が継続している「マイナス金利政策」の影響が色濃く影を落としています。これは銀行が中央銀行にお金を預けると逆に手数料を取られる仕組みで、結果として私たちがローンを借りる際の利息も下がり、銀行にとっては貸し出しによる収益が上がりにくい苦境を招いているのです。
さらに、保有していた株式の価値が下がったことで資産価値を帳簿上で減らす「減損処理」を行ったことも、利益を押し下げる要因となりました。SNS上では「地銀の冬の時代が本格化している」といった不安の声や、「預金金利が低いのに銀行の経営も苦しいなんて」という驚きの反応が広がっています。
しかし、数字を細かく見ていくと、北洋銀行の粘り強い「攻め」の姿勢も浮き彫りになります。本業の稼ぐ力を示す「単体実質業務純益」は、前年同期比で40%増の87億円と大幅に伸びました。これは、不動産投資信託(REIT)の売却益を確保したほか、徹底したコストカットが功を奏した結果と言えます。
銀行内部でも、外部へ委託している業務を見直すなどして約13億円もの経費削減を実現しており、筋肉質な経営体質への脱皮を図っている様子が伺えます。私は、こうした既存のビジネスモデルに縛られない柔軟な資金運用と、徹底した効率化こそが、今の地銀に求められる生存戦略だと確信しています。
地域経済のパートナーとして!安田頭取が掲げる新たなソリューション戦略
貸出金の残高に目を向けると、2019年9月末時点で6兆6202億円と過去最高を更新しました。それだけ資金を必要としている企業が多い一方で、貸出金利回りは0.87%まで低下しています。薄利多売の状態に陥っている点は否めず、手数料収入も投資信託の販売不振などで6%減少しました。
こうした状況に対し、安田光春頭取は記者会見で、中小企業の潜在的な悩みを見つけ出し、解決策を提示する「ソリューション提供型」の体制を再構築すると力強く宣言されました。単にお金を貸すだけでなく、経営のコンサルティングを行うことで付加価値を生み出そうという、非常に前向きなビジョンです。
2020年3月期の通期予想では、純利益を前期比27%減の103億円と据え置いていますが、この逆風をどう跳ね返すのかが注目されます。地域の未来を守るためにも、北洋銀行が「地域の相談役」として新たな収益の柱を確立できるのか、その手腕に期待せずにはいられません。
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