国内ホームセンター業界で首位を走るDCMホールディングスが、2019年度も力強い歩みを見せています。2019年3月1日から2019年11月30日までの連結純利益は、前年同期比で約2%増となる115億円強に達した見通しです。これにより、同期間としては5年連続で過去最高益を更新する快挙を成し遂げることになります。
このニュースに対し、SNS上では「やはり災害時の備えはホームセンターが頼りになる」「PB商品の質が上がっているから納得の結果」といった、同社の生活インフラとしての役割を評価する声が目立っています。厳しい経営環境が続く小売業界において、着実に利益を積み上げる同社の戦略には、多くの投資家からも熱い視線が注がれているのです。
天候不順を跳ね返した「復興需要」とグループの連携
2019年の夏は記録的な天候不順に見舞われ、本来であれば稼ぎ時であるはずのアウトドア用品の販売が伸び悩む苦しい展開となりました。しかし、その逆境を支えたのが、相次ぐ台風被害に伴う防災・復興用品の需要です。特にグループ会社であるケーヨーは、甚大な被害を受けた千葉県などに強固な店舗網を持っており、ブルーシートや工具といった資材が急伸しました。
ここで注目すべきは「持ち分法適用会社」という仕組みです。これは、親会社が20%から50%程度の議決権を持ち、経営に影響力を行使できる関連企業を指します。今回の決算では、このケーヨーの利益の一部がDCM側の利益として計上される「持ち分法投資利益」が増加しており、グループ一丸となって危機を乗り越えた形が鮮明になっています。
また、同社が進めている仕入れの一本化も、原価率の抑制に大きく寄与したと考えられます。バラバラに行っていた買い付けを共通化することで、メーカーに対する価格交渉力を高める戦略です。SNSでも「最近どの店舗に行っても品揃えが安定している」といった反応が見られ、効率的なサプライチェーンの構築が功を奏している様子が伺えます。
キャッシュレス戦略とPB商品の進化が描く未来
2019年6月からは、グループ共通の新たなポイントサービス「マイボ」を導入しました。この「共通ポイント」とは、異なる店名でも同じカードで特典が受けられる仕組みのことです。導入初期費用は利益を圧迫する要因となりましたが、顧客の囲い込みという中長期的な視点では、将来の収益基盤を盤石にするための賢明な投資といえるでしょう。
さらに、利幅の大きいプライベートブランド(PB)商品の存在感も増しています。これはメーカー品ではなく、DCM自らが企画・販売する独自商品のことです。中間マージンを省けるため、高品質ながら低価格を実現でき、消費者にとっても大きなメリットとなります。売上高に占めるPB比率の上昇は、同社の稼ぐ力が確実に強化されている証拠です。
消費増税前の駆け込み需要とその後の反動減という激しい波を乗り越え、2020年2月29日に終了する通期決算においても、同社は純利益140億円という強気な予想を据え置く見込みです。災害への対応力と、PB戦略による構造改革を両立させるDCMの経営スタイルは、今後の小売業が進むべき一つの正解を提示しているように感じられます。
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