2019年12月24日、国土交通省は台風19号の影響で深刻な被害を受けた地域に、一筋の光が差すような発表を行いました。甚大な河川氾濫に見舞われた宮城や長野を含む7都県12市町村において、市街地に流れ込んだ膨大な土砂の撤去作業が、2019年内におおむね完了する見通しです。
環境省の報告によれば、災害時に発生した廃棄物、いわゆる「災害ごみ」の片付けも同時期に節目を迎えるとのことです。発生から約2カ月半という異例の速さで、被災された方々が日常を取り戻すための土壌がようやく整いつつあります。SNS上では「少しずつ景色が戻ってきた」と安堵する声が広がっています。
国の手厚い財政支援が復旧のスピードを後押し
政府が掲げた「年内の生活圏からの土砂一掃」という目標に向け、各自治体は国の手厚い補助制度をフル活用してきました。特に、土砂撤去にかかる費用の大部分を「地方交付税」という国の財政調整資金で補填する仕組みが導入されました。これにより、市町村の実質的な負担はわずか2.5%にまで抑えられています。
地方交付税とは、自治体間の財政格差を埋めるために国が配分するお金のことですが、今回のような非常事態では地域の再生を支える大きな原動力となります。2019年12月現在、岩手県久慈市や東京都八王子市などでは既に作業を終えており、栃木県佐野市や長野県佐久市も完遂に向けてラストスパートをかけています。
私個人としては、今回の迅速な対応を高く評価しています。行政の縦割りを排した連携と、思い切った財政出動こそが、被災者の不安を希望に変える唯一の手段だからです。ただ、表面的な土砂が取り除かれたからといって、心の傷や経済的なダメージが癒えるわけではありません。今後も長期的な寄り添いが必要です。
丸森町など一部地域では慎重な作業が続く現状も
一方で、2019年12月現在もなお、宮城県丸森町や長野市の一部などでは懸命な作業が続いています。これらの地域では住宅の損壊が激しく、家屋の解体作業と並行して土砂を取り除く必要があるため、一筋縄ではいかない状況です。丸森町では、街の中に設けられた土砂の仮置き場が、被害の大きさを物語っています。
特筆すべきは、2018年の西日本豪雨を経験した神戸市や岡山県倉敷市などの自治体から、多くの応援職員が駆けつけている点でしょう。過去の教訓が、今回の復旧作業に大いに活かされているのです。SNSでは「遠くから助けに来てくれてありがとう」といった、日本各地の絆を感じさせる投稿が相次いでいます。
生活再建はゴールではなく、新しい日常へのスタートラインに過ぎません。2019年12月末という大きな節目を越えても、政府や自治体は一部に残る未完了エリアの支援を継続する方針です。すべての被災者が安心して年を越せるよう、そして一人ひとりの笑顔が戻るまで、社会全体の関心を絶やさないことが重要でしょう。
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