2019年12月25日の東京株式市場は、クリスマス休暇に伴う海外投資家の不在により、極めて静かながらも一部の銘柄にとっては厳しい一日となりました。東証1部における売買代金は1兆992億円まで落ち込み、これは2012年12月12日以来、実に約7年ぶりという異例の低水準です。市場全体が「冬眠状態」にあるかのような静けさを見せる中で、日経平均株価の1日の値動きの幅を示す「日中値幅」もわずか41円98銭にとどまり、2017年3月以来の小ささを記録しました。
市場のエネルギーが枯渇する一方で、個別銘柄に目を向けると深刻な売りが目立っています。この日、年初来安値を更新した銘柄は19にのぼり、2019年10月11日以来の多さとなりました。SNS上では「クリスマスなのにプレゼントどころか含み損が来た」といった悲鳴や、「商いが薄すぎて少しの売りで株価が飛びすぎる」といった困惑の声が広がっています。市場参加者が少ない「薄商い」の状況では、わずかな注文でも価格が大きく変動しやすくなるため、投資家の不安を誘う結果となりました。
業績不安が直撃した日産自動車と主要銘柄の苦境
特に注目を集めたのは、前日比3%安と沈んだ日産自動車です。同社は2019年12月25日、副最高執行責任者(COO)を務める関潤氏の退社を発表しました。経営再建の柱と目されていた人物の離脱は、先行きの不透明感を一気に強める形となり、失望売りを加速させています。新体制が発足して間もないタイミングでの要職の辞任は、企業のガバナンスに対する信頼を揺るがす重大なトピックといえるでしょう。編集者としては、こうした急な人事異動が市場に与える心理的インパクトの大きさを改めて実感します。
日産以外にも、物流業界の環境変化に苦しむSGホールディングスや、事務機大手のコニカミノルタ、紳士服販売の青山商事などが相次いで安値を更新しました。専門用語で「見切り売り」と呼ばれる、保有し続けるメリットが薄いと判断された株の放出が目立っています。2020年の業績回復を期待する声がある一方で、現時点での個別の懸念材料を拭えない銘柄に対して、投資家は非常にシビアな審判を下しているようです。
専門家によれば、短期的な利益を狙うトレーダーが、流動性の低い市場で特定の銘柄を狙い撃ちにする「値幅取り」の動きも見られたとのことです。私自身の見解としては、このような閑散相場での安値更新は、企業の「真の実力」が試されている局面だと感じます。多くの投資家が休暇中の今こそ、企業のファンダメンタルズ(基礎的な財務状況や業績)を冷静に見極める必要があるでしょう。2019年も残りわずかですが、この静寂が嵐の前の静けさでないことを祈るばかりです。
コメント