私たちの住む街がいま、大きな転換期を迎えています。2019年12月27日現在の集計によれば、全国で272もの自治体が「コンパクトシティ」の形成に向けた具体的な計画を策定していることが明らかになりました。これは、かつてのように郊外へ際限なく広がっていく都市の形を改め、生活に必要な機能をギュッと中心部に凝縮させる試みなのです。
そもそもこの「コンパクトシティ」とは、商業施設や住宅、公共サービスを一定の範囲内に集約させた都市形態を指します。高度経済成長期以降、私たちは自家用車の普及に伴い、地価の安い郊外に住まいを広げてきました。しかしその結果として、皮肉なことに中心市街地が空洞化し、私たちの生活の質を脅かす新たな課題が浮き彫りになっているのでしょう。
特に深刻なのが、加齢によって運転免許を返納した高齢者が、日常の買い物にすら困窮する「買い物難民」の問題です。SNS上でも「近所にスーパーがなくて生活が成り立たない」「車がないと詰んでしまう」といった切実な声が散見されます。こうした状況を打破するために、徒歩や公共交通機関だけで快適に暮らせる街への再設計が、いま全国の自治体で急務となっているのです。
行政コストの削減と持続可能な社会への一歩
都市が集約されるメリットは、住民の利便性向上だけにとどまりません。広がりすぎた市街地では、ゴミの収集や冬場の除雪、老朽化したインフラの維持管理といった行政サービスに、膨大なコストがかかってしまいます。これらを効率化して税金の負担を抑えることは、将来の世代に健全な財政を引き継ぐためにも、避けては通れない道だと言えるはずです。
編集者としての私見ですが、このコンパクトシティへの移行は、単なる効率化ではなく「コミュニティの再構築」に他ならないと考えています。人々が近距離で生活することで自然と交流が生まれ、孤立を防ぐセーフティネットとしての機能も期待できるでしょう。2019年12月27日の発表を受け、利便性と温かさを両立した街が一つでも多く誕生することを願ってやみません。
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