2019年も押し迫った12月26日、名古屋市内にて「あいちトリエンナーレ」の今後を左右する重要な運営会議が開催されました。愛知県の大村秀章知事が会長を務める実行委員会が集結し、世間を揺るがせた企画展「表現の不自由展・その後」の中断騒動について、極めて真剣な議論が交わされたのです。
この騒動は、特定の展示内容に対して抗議が殺到したことで、安全上の懸念から一時中止に追い込まれた異例の事態でした。SNS上では「表現の自由を守るべきだ」という応援の声がある一方で、「公金を使う事業としての妥当性はどこにあるのか」といった厳しい批判も噴出し、現在もネット上では激しい議論が続いています。
今回の臨時会議では、委員から「展示内容を事前にしっかりと把握できる体制を構築すべきだ」という提言がなされました。これまでは毎年3月に事業計画を承認する形式的な集まりが主でしたが、今後は開催頻度を増やし、実質的なチェック機能を強化する方向へと舵を切るようです。
芸術祭の「自律性」と「ガバナンス」のバランスをどう取るか
ここで注目すべきは、専門用語としての「ガバナンス(組織統治)」の在り方でしょう。これは組織が不正を防ぎ、適切に運営されるための管理体制を指しますが、芸術の文脈では「表現の自由」を損なう検閲になりかねないという危惧も孕んでいます。事務局と有識者がどう連携するかが鍵となります。
私個人の意見としては、単なる監視体制の強化に終わるのではなく、多様な価値観がぶつかり合う場をいかに安全に提供するかという「対話のプラットフォーム」作りこそが重要だと考えます。批判を恐れて展示を萎縮させるのではなく、議論を深めるための仕組み作りが、これからの芸術祭には不可欠ではないでしょうか。
2019年12月27日現在の状況を鑑みると、この「あいちモデル」の成否は、今後の日本における文化芸術の受容の形を決定づける試金石となるはずです。官民20名を超える有識者たちが、混乱を乗り越えてどのような「開かれた芸術祭」の青写真を描くのか、私たちは注視し続ける必要があります。
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