日産自動車の経営再建に向けた舵取りが、2019年12月27日、再び大きな転換点を迎えました。同社は、急きょ退社が決まった関潤副最高執行責任者(COO)の後任として、現在生産担当の副社長を務める坂本秀行氏を新たな取締役候補に立てることを公式に発表したのです。この決定は、2020年2月18日に開催予定の臨時株主総会にて、内田誠社長兼CEOらと共に正式な承認を仰ぐ形となります。
今回、取締役候補へと躍り出た坂本秀行氏は、1980年に日産へ入社して以来、一貫して現場を支えてきた生粋の「生え抜き」人材として知られています。生産技術や製品開発という、自動車メーカーの心臓部とも言える領域で長年手腕を振るってきた人物です。2014年6月から2019年6月まで取締役を務めていた経験もあり、混乱が続く社内を熟知している実力派の復帰は、組織の安定化を図るための最善策と言えるのではないでしょうか。
一方で、次期エースと目されていた関氏が務めていた副COOという重要なポストについては、当面の間は空席とされる見通しです。この急な人事変更を受け、SNS上では「再生への期待に水を差された」「内部の結束は大丈夫なのか」といった、先行きの不透明さを危惧する声が数多く上がっています。ルノーとの連合関係や業績回復など、課題が山積みの中でトップ層が流動的になることは、ファンや投資家にとっても穏やかではない事態と言わざるを得ません。
製造現場を知るリーダーへの期待と今後の課題
私が考えるに、今の経営陣に最も求められているのは、単なる経営数値の改善ではなく、日産のモノづくりに対する誇りを取り戻すことではないでしょうか。その点、開発・生産の最前線を歩んできた坂本氏の抜擢は、現場の士気を高めるポジティブなメッセージになり得ます。COOという、日々の業務執行を管理する「最高執行責任者」をサポートする体制をいかに早く再構築できるかが、今後のV字回復の鍵を握ることは間違いありません。
取締役の選任が正式に決まる2020年2月18日の臨時株主総会は、新生・日産が真に一丸となれるかを占う極めて重要な場となるでしょう。関氏の離脱というショックを乗り越え、内田・アシュワニ・坂本という新たなトロイカ体制が、どのようなビジョンを株主に示すのか注目が集まります。長らく続いた混乱に終止符を打ち、再び「技術の日産」として世界を驚かせてくれる日を切に願って止みません。
コメント