日本の暗号資産(仮想通貨)業界が、大きな歴史の転換点を迎えました。2019年12月29日までに、これまで登録申請中でありながら暫定的に営業を続けてきた「みなし業者」が、ついにゼロになったことが判明したのです。2017年4月1日に、利用者を保護するために仮想通貨交換業者を登録制とする「改正資金決済法」が施行されてから、約2年半。紆余曲折を経て、ようやく国内の全業者が国の厳しい審査をパスした正式な登録業者で占められることとなりました。
「みなし業者」とは、法律が施行される前からビジネスを展開していた事業者が、正式な登録が完了するまでの期間、特例として営業を許可されていた状態を指します。ピーク時には15社もの事業者がこの枠組みの中で運営を行っていました。しかし、この経過措置の期間中に業界を揺るがす大きな事件が勃発します。2018年1月26日に発生した、当時みなし業者だったコインチェックによる約580億円相当の仮想通貨不正流出事件です。
この衝撃的なニュースを受け、SNS上では「やはり無登録のまま営業させるのは危険ではないか」「セキュリティ体制が不透明すぎる」といった不安の声が噴出しました。これを受けて金融庁は、全みなし業者に対して一斉の立ち入り検査を断行するという、かつてない強硬姿勢を示しています。その結果、多くの業者が行政処分を受け、厳しい基準を満たせないと判断した企業は次々と市場から撤退する事態に追い込まれたのでした。
ラストルーツの登録完了で完了したクリーンな市場への整備
混乱のさなか、コインチェック自体は経営体制を刷新した後に正式な登録を勝ち取りましたが、最後の一社として残っていた「LastRoots(ラストルーツ)」がこのたび認可を受けたことで、暫定的な業者は姿を消しました。私自身の見解としては、このプロセスは非常に苦肉の策ではあったものの、日本が世界に先駆けて投資家保護の仕組みを構築するためには避けて通れない試練だったと感じています。
今回、すべての業者が金融庁の「お墨付き」を得たことは、投機的な熱狂に包まれていた市場が、健全な金融インフラへと脱皮するための重要なステップです。専門用語としての「登録業者」は、単なる許可証を持つ者という意味ではなく、マネーロンダリング対策や顧客資産の分別管理といった、極めて高いハードルをクリアした信頼の証でもあります。SNSでも「これで安心して取引ができる」「やっと暗号資産が市民権を得た」と好意的な反応が目立ち始めています。
もちろん、登録が完了したからといってリスクが完全にゼロになるわけではありません。しかし、2019年12月30日という一年の締めくくりに、不透明だった「みなし」の状態が解消されたことは、2020年以降の業界にとって大きな追い風となるでしょう。これからは、国が認めた透明性の高い環境の中で、いかに新しいテクノロジーが私たちの生活を豊かにしていくのか、その真価が問われるフェーズへと移行していくはずです。
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