心臓のポンプ機能を支える「弁」が正しく作動しなくなる心臓弁膜症。かつては大きく胸を切り開く手術が一般的でしたが、2019年12月30日現在の医療現場では、驚くべき進化を遂げています。特に注目されているのが、内科医によるカテーテル治療と、外科医による低侵襲(ていしんしゅう)手術の融合です。この「内と外」の連携が、患者さんの体への負担を劇的に軽くしているのです。
SNS上では「高齢の親が手術に耐えられるか不安だったが、カテーテル治療という選択肢があって救われた」といった声や、「ロボット手術なら回復が早いと聞いて驚いた」という反響が広がっています。医療技術の進歩は、これまで手術を諦めていた層にとって、まさに希望の光となっていることが伺えます。
カテーテル手術「TAVI」と「マイトラクリップ」の衝撃
大動脈弁狭窄症(だいどうみゃくべんきょうさくしょう)は、加齢によって弁が硬くなり血流が滞る疾患です。2013年10月1日に保険適用となった「TAVI(タビ)」は、太ももの付け根からカテーテルを挿入し、心臓を止めることなく人工弁を留置する画期的な手法です。2019年時点では、高齢者だけでなく、中程度のリスクを持つ患者さんにもその対象が広がりつつあります。
また、弁が閉じきらずに血液が逆流する僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)に対しても、2018年には「マイトラクリップ」というカテーテル手術機器が登場しました。専門用語で解説すると、これは壊れた弁をクリップで留めて逆流を防ぐ治療です。開胸手術が困難だった高リスクの患者さんにとって、この選択肢の登場は極めて大きなインパクトを与えています。
進化する外科手術!「ダヴィンチ」と低侵襲の最前線
一方、外科手術も負けてはいません。低侵襲心臓外科手術(MICS:ミックス)は、わずか3センチ程度の切開で済むほどに進化しています。特に2019年には、手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いた症例も積み上がっています。ロボット特有の「手の震えを除去する機能」や「3Dによる高精細な視界」は、従来よりも正確かつ安全な手術を可能にしました。
「ロボットだと患部を直接触れない」という課題はあるものの、傷痕の小ささや出血の少なさは、入院期間を従来の半分である約1週間に短縮させるなど、圧倒的なメリットを生んでいます。2018年にはこうした内視鏡やロボットを用いた手術も保険適用となり、今後は多くの外科手術がロボットに置き換わっていくことが予想されます。
「ハートチーム」の存在が実力病院を見極める鍵
ここで私が強調したいのは、単に「最新設備がある」こと以上に、内科と外科が対等に議論する「ハートチーム」の質が重要だという点です。一部の病院では内科的治療に偏り、最適な検討がなされていない懸念もあります。画像診断の専門医を含めた多角的な視点があるかどうかが、患者さんにとって最善の治療法を選ぶための生命線となります。
2030年には国内の心不全発症者が年間35万人に達するという「心不全パンデミック」の予測もあります。高齢化社会において、弁膜症はもはや他人事ではありません。信頼できる実力病院を選ぶ際は、症例数だけでなく、内科・外科の連携体制や、正確な画像診断に基づいた検討が行われているかを厳しくチェックすべきでしょう。
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