2019年12月13日、新潟と台湾を結ぶ空の便に衝撃が走りました。台湾の中堅航空会社である遠東航空(ファーイースタン航空)が、深刻な資金繰りの悪化を理由に、新潟―台北線を含むすべての路線の運航を突如として停止したのです。
前日に通知が行われるという異例の事態に、利用者だけでなく新潟県の関係者からも驚きの声が上がっています。SNS上でも「急すぎる」「予約していた旅行はどうなるのか」といった戸惑いや、突然の発表に対する憤りの声が数多く寄せられ、波紋が広がっています。
遠東航空は2017年11月に新潟空港への定期便を開設し、一時は週4往復を運航するなど、新潟の国際線を支える存在でした。2018年度には利用率が80.4%という極めて高い数値を記録し、県内でも最も勢いのある路線として期待されていたのです。
利用率とは、航空機が提供する座席数に対して、実際にどれだけの乗客が搭乗したかを示す割合のことです。8割を超える数字は、路線の採算が十分に取れていることを意味する優良路線の証でもありました。しかし、経営基盤の脆弱さは隠せなかったようです。
観光業界を襲う「3カ月の空白」という試練
今回の運航停止により、2020年3月末に格安航空会社(LCC)のタイガーエア台湾が新規就航するまで、新潟と台北を結ぶ直行便はゼロとなります。この「3カ月間の空白」が、台湾からの観光客に依存する県内の観光地に暗い影を落としています。
新潟県を訪れる外国人宿泊客のうち、台湾からの旅行者は約3割と最も多く、冬の観光シーズンはまさに稼ぎ時です。佐渡市で「たらい舟」を運営する力屋観光汽船では、週末を彩る団体客の減少を懸念しており、売上の激減を覚悟せざるを得ない状況にあります。
一方、私の見解としては、今回の事態は「特定の航空会社や市場に依存しすぎることのリスク」を浮き彫りにしたと感じます。香港線などの新規路線を育てることや、個人客の誘致を強化するなど、観光戦略の多角化が今まさに求められているのではないでしょうか。
花角英世知事は2019年12月13日の会見で、LCCの就航前倒しやチャーター便の確保を各社に働きかける方針を表明しました。実現には機材や人員の調整という高いハードルがありますが、新潟の空の活気を取り戻すための、粘り強い交渉に期待したいところです。
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