2019年12月13日、日本銀行松本支店が発表した最新の県内企業短期経済観測調査、通称「短観」の結果が大きな注目を集めています。今回の調査によれば、県内全産業の景況感を示す業況判断指数(DI)はマイナス7となり、前回9月の調査から1ポイントの微増にとどまりました。数値自体はマイナス圏にあるものの、ほぼ横ばいという安定した推移を見せているのが現状です。
この「DI」という言葉は、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いた指標を指します。SNS上では「まだマイナス圏なのか」と不安視する声がある一方で、「台風の被害があった中で踏み止まっているのは驚きだ」といったポジティブな反応も見受けられます。日銀は「県経済は緩やかに拡大している」との見解を9カ月連続で維持しており、信州の底堅さが証明された形と言えるでしょう。
製造業を支える「5G」の追い風と次世代への投資
業種別に詳細を見ていくと、製造業のDIはマイナス17と前回より2ポイント改善しました。特に長野県の基幹産業である電気機械は7ポイントの上昇を見せています。米中貿易摩擦や中国経済の減速といった国際的な懸念材料は依然として影を落としていますが、それを打ち消すほどのパワーを秘めているのが、次世代通信規格「5G」に関連する需要です。インフラ整備や対応デバイスへの投資が、着実に地元の製造現場を潤しています。
2019年12月時点での現場の声を聞くと、南信精機製作所の片桐良晃社長は「受注状況は厳しい」としつつも、自動車の電動化に向けた開発の手を緩めないメーカーの姿勢を強調されました。将来を見据えた果敢な投資は、まさに長野の「ものづくり」の矜持を感じさせます。私自身の見解としても、目先の数値に一喜一憂せず、次世代技術にリソースを注ぐ企業の姿勢こそが、長期的な景気回復の鍵を握ると確信しています。
消費増税と台風19号の爪痕を乗り越えるサービス業
一方、非製造業に目を向けると、2019年10月の消費増税による反動が小売業を直撃し、DIは7ポイント悪化のマイナス13となりました。しかし、過去の増税時と比較すれば政府の軽減措置が功を奏しており、落ち込みは限定的だとの分析もなされています。実際に大手スーパーのツルヤでも、11月下旬からは売り上げが回復基調にあるとのことで、家計の財布の紐が完全に締まったわけではないようです。
また、2019年10月に甚大な被害をもたらした台風19号の影響が懸念された観光・飲食分野ですが、驚くべきことに宿泊・飲食サービスのDIはプラス33へと急改善を遂げました。被災直後の落ち込みから一転し、復興支援や自治体のキャンペーンが追い風となっている様子が伺えます。どんな困難に見舞われても、前を向いて歩み続ける長野県の強靭な精神が、この統計数字に力強く反映されているのではないでしょうか。
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