家電量販店最大手のヤマダ電機が、経営再建の渦中にあった大塚家具を子会社化するという衝撃的なニュースが飛び込んできました。2019年12月12日の記者会見で発表されたこの決断は、長らく「安売り」のイメージで成長してきたヤマダにとって、ブランドイメージを劇的に塗り替える大きな勝負となります。
かつては交渉が決裂した経緯もある両社ですが、2019年2月の業務提携を経て、大塚家具の持つ「高い粗利益率」と「接客ノウハウ」に山田昇会長が確かな手応えを感じたことが、今回の買収の決定打となりました。ネット上では「まさかの連合」「あの高級家具がヤマダで買えるのか」と、驚きの声が広がっています。
「一生の買い物」を制するブランド戦略の鍵
ヤマダ電機が目指すのは、家電単品の販売から脱却し、住まいを丸ごと提案する「暮らしまるごと」戦略です。実は2011年にも高級注文住宅のエス・バイ・エルを買収していますが、家電量販店特有の安売りの印象が強く、富裕層へのアプローチには苦戦を強いられてきた歴史があります。
家具販売における「粗利益率」とは、売上高から仕入れ原価を引いた利益の割合を指しますが、家電の約24%に対し、大塚家具は約51%と極めて高い水準を誇ります。この収益力の高さと大塚家具が持つ高級ブランドの象徴性を活用することで、これまで接点の薄かった客層を取り込めるかが成功の分かれ道でしょう。
少子高齢化とIoT時代に立ち向かう新ビジネスモデル
市場環境は厳しく、スマホの普及によりテレビなどのAV機器の需要は以前ほどではありません。さらに、あらゆるモノがネットに繋がる「IoT(アイ・オー・ティー)」、つまり外出先からスマホで操作できるエアコンや照明が当たり前になる中、住宅そのものを販売する強みは計り知れません。
SNSでは「久美子社長の続投」や「ヤマダ店舗での高級家具展示」に賛否両論の意見が飛び交っていますが、個人的にはこの異色な組み合わせこそが、停滞する家電業界に新しい風を吹き込むと感じます。単なる救済にとどまらず、高級路線への再挑戦が結実し、日本の住まい方がアップデートされることを期待せずにはいられません。
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