群馬県から産声を上げ、今や全国で圧倒的な存在感を放つフィットネスジム「カーブス」の勢いが止まりません。コシダカホールディングス(HD)が手掛けるこの事業は、日本上陸から15年足らずで2000店舗を突破しました。会員数はすでに86万人に達しており、その成長を支えているのは「運動は苦手だけど健康でいたい」と願うシニア層からの熱烈な支持です。
SNS上でも「着替え不要でパッと行けるのが最高」「女性専用だからメイクを気にしなくて良い」といったリアルな声が目立ちます。実際に2019年11月下旬、東京のカーブス都立大学を訪ねると、20名ほどの女性たちが活気に満ちた表情で汗を流していました。アップテンポな音楽が流れる中、円状に並んだマシンを囲む光景は、まさに現代の健康づくりの最前線と言えるでしょう。
無理なく脂肪を燃焼させる「サーキットトレーニング」の秘密
カーブスの最大の特徴は、わずか30分で完結する独自の運動プログラムにあります。これは「サーキットトレーニング」と呼ばれる手法で、筋力トレーニングとステップボードでの有酸素運動を30秒ごとに交互に繰り返すものです。このサイクルを2周行い、最後にストレッチで整えることで、短時間でも効率的に脂肪を燃焼し続ける状態をキープできる仕組みになっています。
もともと米国生まれのモデルですが、日本での展開にあたっては、ダイエットよりも「健康維持」に主眼を置いた戦略が功を奏しました。会員の約9割が50歳以上というデータからも、高齢化社会における需要を的確に捉えていることが分かります。月額5700円(税別)からという手頃な価格設定も、継続しやすさを後押しする大きな要因となっているはずです。
油圧式マシンと手厚いサポートが生む安心感
運動経験がない方でも安心して通えるよう、導入されているのは「油圧式マシン」です。これは動かすスピードによって負荷が自動的に調整されるため、自分の体力に合わせて安全にトレーニングが行えます。インストラクターが一人ひとりの体調を把握し、心拍数を見ながら「少しペースを落としましょう」といった細やかな声掛けを行う点も、一般的なジムにはない魅力です。
通い始めて2年になる64歳の女性は、「ゴルフの飛距離が伸び、食事にも気を使うようになった」と笑顔で語ります。こうした利用者の実感が口コミとして広がり、友人紹介を通じてファンが着実に増えている点は見逃せません。単なる運動の場を超えて、地域コミュニティのような役割を果たしていることが、カーブスの真の強みだと私は考えます。
スピンオフによる独立と「メンズ・カーブス」への挑戦
さらなる飛躍を目指し、2019年10月には子会社の独立を支援する「スピンオフ」による分離と上場が発表されました。2025年8月期までに国内3000店舗への拡大を掲げており、その戦略の一環として「メンズ・カーブス」の展開も始まっています。既存の女性会員が夫を誘うケースが多く、2021年8月期以降は男性向け店舗の急増も期待できそうです。
2018年3月には米国本社を買収し、世界規模でのノウハウ共有も加速しています。現在は会員数が80万人台で横ばいという課題もありますが、自治体と連携した健康増進サービスなど、潜在顧客へのアプローチは多角化しています。誰もが健康で輝ける社会の実現に向け、カーブスが描く次の一手から今後も目が離せません。
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