地方創生の切り札!「新発田版DMO」が仕掛けるインバウンド誘客とコメ輸出の成功戦略に迫る

新潟県新発田市が中心となって設立された「新発田版DMO」の勢いが止まりません。DMOとは、地域の観光資源を活かし、データに基づいて戦略的に観光客を誘致する司令塔のような組織のことです。この官民一体となった取り組みにより、同市のコメ輸出量はわずか3年で10倍に急増しました。さらに、訪日外国人旅行者であるインバウンドの宿泊客数も約3倍に跳ね上がっており、地方創生の成功例として大きな注目を集めています。

特筆すべきは、海外市場への積極的な進出です。2019年8月には、新発田産のコシヒカリとこしいぶきが、アメリカのニューヨークにオープンした直売店に堂々と並びました。この店舗は、国産米の海外展開を専門とする企業が立ち上げたものです。店内で玄米から丁寧に精米して販売するスタイルが受け、「味が素晴らしい」と現地の人々の舌を唸らせています。2019年産の同店での販売予定量は、実に75トンにも上る見込みだそうです。

この波に乗るべく、2019年11月15日から2019年11月20日にかけて、二階堂馨市長自らがニューヨークの店舗へ足を運び、トップセールスを行う予定となっています。輸出量は2017年産米の25トンから始まり、2018年産には153トンへと増加しました。そして2019年産米では、ニューヨークに加えてシンガポールなどの新たな市場も開拓し、輸出量は268トンに達すると予想されています。売上高も初年度の600万円から、今年度は5000万円に届くほどの急成長ぶりを見せています。

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地域全体で支え合う強固な連携システム

こうした飛躍的な輸出拡大の背景には、地域全体での緻密な連携という強力な武器があります。輸出用のコメは、注文が入るまで玄米の状態で倉庫に保管しなければなりません。しかし、農家への支払いは一括で行うという昔ながらの商習慣があり、集荷業者にとって資金繰りが大きな壁となっていました。そこで地元の新発田信用金庫が立ち上がり、業者向けの低利融資制度を創設したのです。金融面からの手厚いサポートが、このプロジェクトを力強く推進する原動力となりました。

また、外国人観光客を呼び込むインバウンド戦略においても、目覚ましい成果を上げています。2015年より、新潟空港に直行便がある台湾、韓国、中国などをターゲットに、市長自らが熱心に売り込みを行ってきました。単独の市だけでなく、周辺の8つの市町村と手を組み、広域を巡る魅力的な回遊プランを提案しています。その結果、2014年には1994人だった外国人延べ宿泊者数が、2018年には6210人にまで膨れ上がったというから驚きです。

ターゲットのニーズに合わせた企画力も秀逸だと言えるでしょう。2017年からは韓国の富裕層向けに、平日に特化したゴルフツアーを企画し、複数のゴルフ場や温泉宿と連携して商品化しました。台湾からの観光客には、日本の伝統文化である和菓子作り体験を組み込んだツアーが大好評です。昨今の国際情勢の影響は多少あるものの、着実にリピーターという強力なファンを獲得しつつある状況です。

さらに、2018年からは市役所内で地元産品の販売会を定期開催し、外国人宿泊者にはお得なクーポン券を配るという工夫も凝らしています。昨年度のツアー関連の収支は、支出600万円に対して売上高が3100万円という素晴らしい費用対効果を叩き出しました。SNS上でも「地元の美味しいお米が海外で絶賛されていて誇らしい!」「他の自治体も手本にすべき素晴らしいアイデア」といった称賛の声が相次いで拡散されており、ネットユーザーの関心も非常に高いことが伺えます。

編集者としての私の視点から見ても、新発田市の取り組みは地方が生き残るための理想的なモデルケースだと確信しています。単なる特産品のアピールに留まらず、金融機関や周辺自治体まで巻き込んだ「面」での戦略が、これほどの大きなうねりを生み出したのでしょう。地域の隠れたポテンシャルを最大限に引き出し、世界へ向けて発信し続ける新発田版DMOの今後の展開から、決して目が離せません。

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