2020年01月01日、新しい一年の幕開けとともに、目前に迫った東京パラリンピックへの期待が最高潮に達しています。現在、ベテラン選手が層を厚く形成している車いすラグビー日本代表チームにおいて、ひときわ眩い光を放つ新星が登場しました。その人物こそ、福島県立田村高等学校2年生、弱冠17歳の橋本勝也選手です。
橋本選手がこの競技と出会ったのは、中学2年生の冬という比較的最近のことでした。しかし、驚くべきことに開始からわずか2年で強化指定選手に名を連ね、2018年には世界選手権の優勝メンバーの一員として金メダルを首に下げています。このスピード感あふれる成長は、日本代表のケビン・オアー監督が、彼の中に将来のエースとしての確かな資質を見抜いたからに他なりません。
生まれつき四肢に欠損があり、左右の手の指は2本ずつですが、彼はそれを逆手に取った独自のプレースタイルを確立しています。特筆すべきは、その長いリーチを活かした車いす操作のスピードです。「チェアスキル」と呼ばれる車いすを操る技術において、彼は相手の執拗なマークを鮮やかにかわす瞬発力を備えています。この身体能力は、まさに天賦の才と言えるでしょう。
悔しさを糧に刻む成長の軌跡と「橋本コール」
日本代表の絶対的エースである池崎大輔選手も、橋本選手に対して「間違いなくこれからの日本を牽引する存在になる」と惜しみない賛辞を送っています。2019年10月に日本で開催された「車いすラグビーワールドチャレンジ2019」では、ブラジルとの初戦でチーム最多の18得点を叩き出し、観客を熱狂させました。会場に響き渡った「橋本コール」は、彼の心を強く揺さぶったはずです。
しかし、順風満帆なばかりではありません。強豪オーストラリアとの準決勝では、一度もコートに立つことなくチームの敗北を見届け、悔しさのあまり大粒の涙を流しました。この挫折こそが、彼をさらなる高みへと押し上げる原動力となっています。SNS上でも「あの涙があるからこそ応援したくなる」「福島の星から日本の宝へ」といった、温かくも熱い激励の声が数多く寄せられています。
私は、橋本選手の魅力は技術以上に、その純粋で真っ直ぐな向上心にあると考えています。ベテラン勢の技術を吸収しつつ、若さゆえの爆発力を持ち合わせる彼は、まさに日本代表に新しい風を吹き込むジョーカーです。2020年08月30日に予定されている決勝の舞台で、彼が最高の笑顔を見せてくれることを期待せずにはいられません。世界一の選手への階段を、彼は今、確実に登っています。
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