2020年01月01日を迎え、日本の屋台骨を支える素材産業は今、かつてない大きな転換点に立たされています。昨年来、世界を揺るがしている米中貿易摩擦の影響は深刻で、市況の悪化が業界全体に重くのしかかっているのです。こうした逆風を跳ね返すべく、各社は生産体制の抜本的な見直しや、生き残りをかけた業界再編へと舵を切りました。SNS上でも「日本の製造業は大丈夫か」と心配する声が上がる一方で、大胆な改革を期待する投資家の視線も熱く注がれています。
鉄鋼業界においては、米中対立の長期化を前提とした「構造改革」が最大の注目ポイントとなるでしょう。世界的な需要の冷え込みにより、大手の製鉄事業が赤字に沈むという異例の事態が続いています。そこで最大手の日本製鉄は、2020年04月01日付で国内に点在する16カ所の製鉄所を6拠点へと大胆に統合する予定です。この組織再編は単なる効率化に留まらず、さらなる合理化策への布石とも目されており、業界全体に激震が走ることは間違いありません。
ハイテク競争が加速する非鉄・化学業界の再編劇
非鉄金属の分野でも、資源価格の動向から目が離せない状況が続きます。銅やアルミニウムといった素材は、自動車や半導体を作る装置に欠かせませんが、現在は需要への不安から相場が弱含んでいます。しかし、米中通商交渉に明るい兆しが見えれば、一気に価格が反発する可能性も秘めているのです。専門用語で「軟調」とは、相場が下落傾向にある状態を指しますが、この停滞期をどう耐え抜き、次なる上昇局面へ繋げるかが各社の手腕の見せ所と言えます。
一方、化学業界では「世紀の買収」とも言える大きな動きが加速しています。昭和電工が日立化成を約1兆円という巨額の資金で傘下に収めることで合意しましたが、これは決して無謀な挑戦ではありません。その裏には、次世代通信規格「5G」や電気自動車(EV)の普及という、避けては通れない技術革新の波があります。先端技術を自社で囲い込み、世界規模の競争に勝ち残るためには、こうした大型再編こそが停滞を打破する唯一の鍵になると私は確信しています。
現在、国内の化学関連の上場企業は200社を超えており、他業界に比べて再編が遅れているとの指摘も少なくありません。今回のメガ買収がトリガー(引き金)となり、2020年中にドミノ倒しのような業界再編が始まる予感が漂っています。SNSでは「日本の技術が一つに集まるのは強みだ」というポジティブな反応も見られ、単なるコストカットではない、攻めの姿勢が評価されているようです。変化を恐れず、世界と戦える体制を整える時期がようやく到来したのです。
地球規模の課題をチャンスに変える「脱プラ」の商機
また、2020年は「サステナビリティ(持続可能性)」が企業の格付けを左右する年になるでしょう。海洋汚染の防止や地球温暖化対策への関心が世界中で高まり、「脱プラスチック」の流れは止まるどころか加速の一途をたどっています。これを単なる規制と捉えるのではなく、新たなビジネスチャンスへと変えようとしているのが紙パルプ業界です。王子ホールディングスや日本製紙といった大手企業は、プラスチックに代わる革新的な素材の開発に心血を注いでいます。
プラスチック代替材の開発は、環境保護という大義名分だけでなく、新たな市場を独占できる可能性を秘めたフロンティアです。消費者の環境意識が劇的に変化するなかで、いち早く代替製品を世に送り出した企業が、次世代のスタンダードを握ることになるはずです。古くからある素材産業が、最先端の環境技術で世界を救う――そんなドラマチックな展開が、この2020年01月01日から始まる1年の間にいくつも目撃できることを期待してやみません。
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