クリーニング業界の最大手として知られる株式会社白洋舎が、2020年1月1日付で大胆な組織改革と役員人事を発表しました。今回の変革は、従来の縦割り組織を打破し、時代の変化に迅速に対応するための戦略的な一手と言えます。SNS上でも「あの白洋舎がここまで大きな組織改編に踏み切るとは驚きだ」「クリーニングだけでなく、ビルメンテナンスなどのクリーンサービス領域へ本格的に舵を切るのではないか」といった、今後の展開に期待を寄せる声が数多く上がっています。
今回の発表における最大の注目点は、従来の「クリーニング事業本部」「レンタル事業本部」「クリーンサービス事業本部」という3つの巨大な柱を廃止し、これらを一元管理する「事業統括本部」を新設したことです。この組織改革に伴い、取締役兼常務執行役員のリネンサプライ事業部長である井口弥光氏が、新設された事業統括本部長に就任しました。さらに、ケミサプライ事業部とハウスケア事業部を統合した「クリーンサービス事業部」のトップには、上席執行役員の五十嵐昌治氏が就任しています。
ここで専門用語について少し解説を加えておきましょう。まず「リネンサプライ」とは、ホテルや病院などで使われるシーツやタオル、衣服などを業者が貸し出し、使用後に回収して洗濯・納品を繰り返す業務委託サービスのことです。また、「ケミサプライ」とは化学薬品や清掃用資材の供給・管理を指し、「ハウスケア」は一般住宅のハウスクリーニングや家事代行サービスを意味します。これらを統合することで、白洋舎は生活空間全体の「清潔さ」を総合的にプロデュースする体制を整えたと言えるでしょう。
さらに、地方拠点の統率を図るため、全国各地の支店長クラスの人事異動も同日に実施されました。福岡支店長から京都支店長へと遷る和田徹氏や、横浜支店から福岡支店長へ赴任する岡田政志氏をはじめ、仙台、広島など主要都市のトップが入れ替わっています。また、東京東支店と千葉支店を統合して「京葉支店」を新設し、その初代支店長に大川順市氏が就任するなど、首都圏のネットワーク再編も同時に進められており、地域密着型のサービスをより効率化する狙いが見て取れます。
私個人の見解として、今回の白洋舎の動向は、単なる社内人事の枠を超えた「ドラスティックな攻めの姿勢」の表れであると高く評価しています。少子高齢化やライフスタイルの多様化が進む現代において、従来の衣類クリーニングだけに頼るビジネスモデルは転換期を迎えているからです。法人向けのリネンサプライや、衛生管理の重要性が高まるクリーンサービスを1つの本部に集約したことは、経営資源を集中させ、シナジー効果を最大化するための極めて賢明な判断であると感じます。
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