トランプ経済政策の評価が急上昇!米中貿易交渉の合意がもたらした有権者の本音と大統領選への影響

アメリカの経済の行方を占う重要なデータが発表されました。イギリスの有力紙であるフィナンシャル・タイムズと、米国のピーター・G・ピーターソン財団は、2019年12月16日から2019年12月22日にかけて、2020年の米大統領選挙に向けた世論調査を全米で実施したのです。

その結果、トランプ政権が推し進める経済政策について「国家の経済に貢献している」と答えた人が51%に達しました。これは前月に行われた調査から7ポイントも上昇しており、現政権にとっては非常に追い風となる数字が記録されています。

ネット上でもこの結果は大きな話題を呼んでいます。「関税合戦ばかりで不安だったけれど、ようやく具体的な成果が見えてほっとした」という安堵の声が上がりました。その一方で、「トランプ氏の手腕というよりは、単なる一時的な市場の好感に過ぎないのではないか」といった冷ややかな視点も混在しています。

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米中貿易交渉の「第1段階合意」がもたらした安心感

支持率が急上昇した背景には、調査の直前である2019年12月13日に発表された、米中両国による貿易交渉の「第1段階の合意」が深く関係していると考えられます。世界を揺るがせていた二大巨頭の貿易摩擦が一時的に和らぐという見通しが、有権者に大きな安心感を与えたのでしょう。

実際に、現政権になってから自分たちの暮らし向きが「良くなった」と答えた人も37%に上り、前月比で5ポイント増加しました。支持層別に見ると、身内である共和党支持層の評価が8ポイント増の89%となっただけでなく、対立する民主党支持層でも7ポイント上昇するという興味深い現象が起きています。

しかし、トランプ大統領の強硬な交渉スタイルそのものが全面肯定されたわけではありません。有権者の46%は「関税を武器にするよりも、対話による解決を望む」と回答しており、関税引き上げを連発して相手に譲歩を迫るトランプ流の戦術に対しては、国民の根強い警戒感が浮き彫りになっています。

大統領選の命運を握る激戦州と「医療費」という巨大な脅威

さらに、今回の調査からはアメリカ社会が抱えるもう一つの深刻な闇が見えてきました。国民が考える経済の最大のリスクとして、貿易問題(22%)を抑えてトップに君臨したのが、29%を記録した「医療費の高騰」です。アメリカの民間医療保険制度は非常に複雑で、個人の負担が極めて重いことが社会問題となっています。

この医療費への危機感は、選挙の勝敗を左右する中西部ウィスコンシン州やミシガン州、東部ペンシルベニア州など、11の「スイング・ステート(激戦州)」で特に顕著です。激戦州では33%の人が医療費を最大の脅威に挙げており、全米平均よりもはるかに厳しい視線が注がれています。

これらの激戦州では、トランプ政権の経済政策が「貢献した」という声は48%の横ばいにとどまり、暮らしが「改善した」という回答にいたっては逆に減少しています。トランプ政権は前政権の医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃を掲げていますが、具体的な代替案を示せていないことが、この冷ややかな数字に直結していると言えるでしょう。

編集部EYE:見せかけの経済指標に惑わされない有権者のリアル

今回の世論調査を分析すると、米中合意という目華々しいニュースによってトランプ政権の評価が一時的に上向いたことは間違いありません。日々の株価や外交の成果は、視覚的に分かりやすいため、SNSでも拡散されやすく、政権のアピール材料としては一級品です。

ですが、筆者はここに大きな落とし穴があると考えます。激戦州の人々が訴える「医療費負担」のような、生活に直結する内政問題が解決されない限り、この支持は砂の城のように脆いものです。有権者は、派手な貿易戦争のパフォーマンスよりも、自分たちの財布から消えていく社会保障費の現実に、はるかに敏感です。

今後の大統領選に向けた候補者争いでは、この社会保障政策についてどれだけ具体的で実現可能性のあるビジョンを提示できるかが、勝敗を分ける真の鍵になるでしょう。トランプ氏がこのまま逃げ切るのか、それとも民主党が医療改革を武器に逆転するのか、一瞬たりとも目が離せません。

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