自動車業界に新たな革新の風が吹いています。広島市に本拠を置く南条装備工業が、マツダ車の心臓部とも言えるドア部品の生産体制を大幅に強化することが判明しました。なんと総額約30億円という巨額の投資を行い、広島県安芸高田市にある八千代第二工場を劇的に拡張する計画です。この一大プロジェクトは2020年3月の稼働を予定しており、電気自動車(EV)をはじめとするマツダの次世代自動車戦略において、極めて重要な役割を果たす拠点となることは間違いありません。
今回の拡張における最大の注目点は、大型の樹脂成型機を新たに導入することです。樹脂成型とは、熱で溶かしたプラスチックを型に流し込んで思い通りの形を作る技術を指します。これまでは外部の専門業者から買い付けていた大型の構成部品を、自社で一貫生産する「内製化」へとシフトする方針を打ち出しました。この大胆な戦略転換によって、これまで発生していた無駄な輸送コストなどを一気に削ぎ落とす狙いがあります。同社は、わずか6年での投資回収を見込んでいるそうです。
ネット上やSNSでは、このニュースに対して驚きと期待の声が次々と上がっています。「マツダの美しい内装を支える企業がここまで攻めるとは頼もしい」「EVシフトを見据えたモノづくりへの本気度が伝わってくる」といった前向きなコメントが目立ちます。さらに、地元の雇用活性化を期待する声もあり、地域社会からの注目度も非常に高いと言えるでしょう。サプライチェーンの効率化が叫ばれる現代において、こうした足腰の強い製造体制への刷新は、多くの車ファンからも支持されている模様です。
新棟には合計7台の成型機が並び、その中には型締め力が1800トンや3000トンに達する超大型モンスターマシンも含まれています。この新拠点がフル稼働すれば、月間にして約1万4000台分もの自動車部品を世に送り出すことが可能になります。生産の対象となるのは、マツダが2019年に市場へ投入して大ヒットを記録している新型SUV「CX-30」や、2020年中に発売が予定されている待望の量産型EV「MX-30」向けのドアトリムです。まさに時代の最先端を走る車たちですね。
ここで専門用語を少し解説しておきましょう。耳慣れない「ドアトリム」とは、自動車のドアの内側を覆うプラスチックやレザーでできた内張り部品のことです。単なる見た目の美しさだけでなく、車内の静かさを保つ防音性や、万が一の衝突時に乗員を守る安全性も求められる重要なパーツになります。南条装備工業はマツダが国内で生産するほぼ全ての車種にこの部品を供給しており、18年12月期には334億円の売上高を記録するほどの、確かな実力を持ったトップランナーなのです。
筆者は今回の投資について、マツダが掲げる「プレミアムブランドへの脱皮」を陰で支える極めて英断な一手だと確信しています。近年のマツダ車はインテリアの高級感が世界中で高く評価されていますが、その品質を維持しながらコストを抑えるのは至難の業です。部品を自社で作ることで、品質の手綱を自ら握りつつ効率化を突き詰める姿勢には感服いたします。単なるコスト削減に留まらず、日本のモノづくりの強みをさらにアップデートさせる素晴らしい挑戦ではないでしょうか。
さらに、同社の視線はすでにその先へと向けられています。マツダが2023年3月期までに発売を計画している「ラージ」と呼ばれる大型車セグメントへの採用を勝ち取るため、2020年から2021年にかけて大型成型機をさらに2台追加する検討に入っています。同時に、組み立てを担う近くの八千代工場にも今春に約5億円を投じて新棟を建設する予定です。こちらには従業員用の食堂なども新設されるとのことで、働く環境の向上を通じてさらなる生産性の向上を目指す姿勢が素晴らしいですね。
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