大気汚染や二酸化炭素が「黒いダイヤ」に化ける?環境破壊の厄介者を次世代資源へ変える驚異のカーボンリサイクル最前線!

美しく輝く指輪の主役に、あえて大気汚染のちりを選ぶという逆転の発想が世界中で大きな話題を呼んでいます。オランダの気鋭デザイナーが手がけたこの黒い宝石は、人間社会が引き起こした環境問題の深刻さを物語ると同時に、持続可能な未来への希望の光を放っているのです。

この画期的な試みに対して、SNS上では「環境破壊の現実を身に着けることで意識が高まる」「最悪の存在を最高の価値に変える素晴らしいアートだ」といった絶賛の声が相次いでいます。厄介者を資源に変えるという視点は、人々の心を強く揺さぶっているのでしょう。

スポンサーリンク

汚染された空気から指輪を紡ぎ出す逆転の環境アート

発案者のダーン・ローズガールデ氏は、2013年に中国の北京を訪れた際、ひどく淀んだ空を眺めながら、すべての人が清浄な空気を味わう権利とそれを維持する義務があることに思い至りました。そして、多くの人々が集う公共の空間を美しく変えるプロジェクトを立ち上げたのです。

2015年9月24日、オランダのロッテルダムに、アルミニウムで構成された高さ7メートルの巨大な空気清浄タワーが姿を現しました。この装置はわずかな再生可能エネルギーの電力だけで稼働し、1時間あたり3万立方メートルもの大気を浄化する性能を誇ります。

タワーが吸着した微細な汚染物質を回収し、極限まで圧縮して指輪の形に成型したものが「スモッグ・フリー・リング」です。この指輪を1つ製作するプロセスによって、地球上に1000立方メートル分の綺麗な空気が生み出される仕組みとなっています。

2016年10月には、北京のちりから作られた指輪が1つ250ユーロで一般向けに販売され、環境保全に貢献したいと願う多くのカップルから熱い視線を集めました。ただ消費するだけでなく、地球を美しく保つ選択肢がここに提示されています。

地球温暖化を食い止める「カーボンリサイクル」という希望

18世紀後半に英国から始まった産業革命は、私たちの暮らしを豊かにした一方で、化石燃料の大量消費という負の遺産をもたらしました。その結果、地球温暖化の原因となる二酸化炭素の排出量は右肩上がりで増え続け、2019年には年間368億トンという天文学的な数値に達しています。

深刻化する気候変動への対策として、世界の平均気温の上昇を産業革命前と比べてセ氏2度未満、可能であれば1.5度以内に抑えることを目指す「パリ協定」が、2020年1月から本格的に運用を開始しました。この高い目標をクリアするためには、革新的なブレイクスルーが必要です。

こうした状況下で注目を集めているのが、排出された二酸化炭素を有益な資源として再利用する「カーボンリサイクル」という考え方です。これまでは地中に埋めて閉じ込める手法が主流でしたが、それでは新たな経済価値を創出できないという課題が指摘されていました。

そこで、回収した二酸化炭素を化学品や燃料へと生まれ変わらせる「CCU(二酸化炭素の回収・利用)」の技術開発が、欧米のスタートアップ企業を中心に急速な盛り上がりを見せています。厄介者とされてきた物質を、価値ある資源として循環させる時代が幕を開けようとしているのです。

大気から直接回収する新技術と日本がリードする人工光合成

ドイツでは、石炭火力発電所から出る気体と水から水素を抽出し、新たな燃料を合成する大規模な実証実験が2019年から始まっており、2020年を通じてその削減効果が検証されます。将来的には、排出量を上回る量を回収する「ネガティブ・エミッション」の実現を目指しています。

さらに、工場だけでなく大気中からダイレクトに二酸化炭素を回収する「DAC(ダイレクト・エア・キャプチャー)」の分野では、日本の研究機関も最先端を走っています。独自のアミン化合物を使用し、セ氏60度という比較的低い熱で効率よくガスを分離する技術の確立に挑んでいます。

そして、究極のエコシステムとして世界が熱い視線を注ぐのが、太陽光のエネルギーを利用して水と二酸化炭素からプラスチックの原料などを生み出す「人工光合成」の技術です。この革新的なプロジェクトでは、日本の大手化学メーカーや大学などの研究チームが世界の中心的な役割を担っています。

約100年前の科学者が「空気からパンを作った」と言われたように、現代の科学者たちは「太陽光と空気からプラスチックを作る」という奇跡に挑んでいます。これら最先端技術への投資と支援を惜しまないことこそが、私たちが地球に生き続けるための唯一の道であると確信しています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました