大きな波紋を呼んだ大学入学共通テストにおける英語民間試験の活用見送りを受け、日本の教育界が新たな一歩を踏み出しました。文部科学省が新設した大学入試のあり方を議論する検討会議が、2020年1月15日に記念すべき初会合を開催いたします。
今回の会議では、頓挫してしまった英語入試の仕組みや国語・数学への記述式問題導入といった、これまでの入試改革の「2本柱」について根底から見直される予定です。単に新しい方式を模索するだけでなく、そもそも新方式が本当に必要なのかという本質的な議論も交わされるでしょう。
SNS上では、このニュースに対して多くの受験生や保護者から「迷走に振り回されるのはいつも生徒」「早く方針を確定させてほしい」といった悲痛な叫びや不安の声が相次いでいます。当事者たちの関心が非常に高いテーマだけに、今回の検討会議には大きな注目が集まっています。
英語4技能の評価方法を巡る専門家たちの異なる視点
最大の論点となるのが、英語の「読む・聞く・書く・話す」という4つの技能をいかにして公平に測定するかという点です。委員を務める日本私立中学高等学校連合会会長の吉田晋氏は、グローバル社会で活躍するためにこの能力の評価は不可欠であると熱弁を振るいます。
国の経済的支援によって民間試験の受験料を補助し、各大学での活用を後押しする案も浮上しています。しかし一方で、上智大学教授の渡部良典氏は、入試の形を急いで変えることよりも、まずは高校や大学における日々の英語教育そのものを充実させる方が先決ではないかと疑問を投げかけました。
萩生田光一文部科学大臣は、民間試験ありきではない抜本的な仕組みの再構築を目指しており、2024年度の導入を視野に入れています。私自身の意見として、公平な試験環境が整わないまま変化を急ぐべきではなく、渡部氏の指摘通り教育現場の底上げを優先するべきだと考えます。
記述式問題の導入場所と共通テストが抱える課題
もう一つの焦点は、思考力や表現力を測る記述式問題を「全国共通のテスト」で行うか、それとも「各大学の個別試験」に委ねるかという問題です。大谷大学教授の荒瀬克己氏は、記述式が求めるような力を養う必要性自体は広く共有されていると認識しています。
しかし、一度見送られた手法をそのまま選ぶことはできないため、入試での測定が難しいならば高校教育の場で地道に育成していくしかないとも語りました。過去には大学入試センターが問題を作成して各大学に配布する案もあり、これらも今後の議論の材料となる見通しです。
現在の日本は大学進学率が50%を超えており、受験生の学力層も非常に多様化しています。果たして一つの共通試験だけで全員を正しく評価できるのかという、共通テスト自体の存在意義についても再点検が求められるでしょう。
政治主導が生んだ歪みと教育現場の声への回帰
今回の検討会議では、なぜこのような混乱を招く事態に至ったのかという、過去の政策決定プロセスの検証も行われる予定です。これまでの大学入試改革は、経済界などの要請を背景にした政治主導の側面が強く、現場の懸念が置き去りにされてきた印象を拭えません。
教育専門家や高校、大学といった現場が発信し続けてきた課題やリスクを軽視し、直前になって制度が行き詰まった原因を厳しく追及することが期待されます。政治の都合に教育が振り回される構造そのものを変えない限り、真の改革は成し遂げられないのではないでしょうか。
検討会議は大学教授や学校関係者ら18人の委員によって構成され、2020年末までに一定の結論を出す方針となっています。未来の日本の教育を左右するこの重要な議論の行方を、私たちは注意深く見守っていく必要があります。
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