静岡の印刷大手「イズミプロセス」など4社が特別清算を申請!負債56億円に達したM&Aと火災の背景とは

静岡市に本拠を置く老舗印刷会社「イズミプロセス」と関連会社3社が、2019年12月に東京地方裁判所へ特別清算の開始を申請したことが明らかになりました。負債総額は4社合わせて約56億8000万円という巨額に上り、業界内に大きな衝撃が走っています。特別清算とは、倒産手続きの一種で、株式会社が清算するにあたって裁判所の監督のもとで債務を整理する先進的な法的手続きを指します。SNS上でも「地元の有力企業だっただけにショックが大きい」といった驚きの声が多数寄せられている状況です。

1979年5月に設立された同社は、自動車や二輪車用のステッカー、さらには看板サインなどに用いられるシルクスクリーン印刷の技術に定評がありました。シルクスクリーン印刷とは、メッシュ状の版にインクを通過させて印刷する技法で、耐久性に優れ、屋外の過酷な環境にも耐えられるのが特徴です。その確かな職人技を武器に、同社は着実に成長を遂げてきました。

転機が訪れたのは2015年ごろのことです。積極的な企業買収、いわゆるM&Aを繰り返すことで事業規模の急速な拡大を図りました。約10社もの企業を傘下に収める一大グループへと急成長を遂げたのです。このように経営規模を大きくすることで市場での競争力を高める戦略を進めていましたが、急激な組織の拡大は管理体制や資金繰りに見えない歪みを生んでいたのかもしれません。

そうした中で、2018年にある悲劇がグループを襲います。主力工場で発生した予期せぬ火災により、製品の安定供給が極めて困難な状況に陥ってしまいました。製造ラインのストップは取引先への大きな打撃となり、結果としてグループ全体の経営状態を急激に悪化させる致命傷となったのです。この火災による損失を補填することができず、今回の事態を招いたと考えられます。

なお、メインであるイズミプロセスの事業自体は、2019年9月に別会社が受け皿となって無事に引き継がれており、現在も継続されています。しかし、同時に特別清算を申請した高陽アルミ工業や山陽社、東西製作所という関連会社3社の業務はすでに停止している模様です。技術の承継が行われたことは不幸中の幸いですが、企業の急拡大期におけるリスク管理の難しさを改めて痛感させられる事例だと言えるでしょう。

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