2020年01月15日の東京株式市場において、YouTuber(ユーチューバー)のマネジメント最大手であるUUUM(ウーム)の株価が急激に値下がりしました。一時、前日比で13%も下落し、約7ヶ月ぶりとなる低水準を記録しています。動画投稿ビジネスの成長が緩やかになるのではないかという、投資家たちの不安が表面化した形です。SNSでも「これまでの急成長が凄すぎた」「エンタメ業界の勢力図が変わるかも」と、今後の動向に高い注目が集まっています。
事の発端は、2020年01月14日に発表された2019年06月から2019年11月までの半年間の決算内容にありました。最終的な儲けを示す純利益は前年同期と比べて2%増の4億5900万円にと得ています。2019年06月から2019年08月までの3ヶ月間で記録した74%増という驚異的な伸びに比べると、明らかに勢いが落ち着いてしまった印象を与えます。企業の規模を拡大するために従業員を増やした結果、人件費などの固定費が膨らんでしまったことが主な原因です。
通期の計画に対する達成率は半分を超えており、決して悪い数字ではありません。しかしながら、UUUMといえばHIKAKIN(ヒカキン)さんやはじめしゃちょーさんを筆頭に、国内トップクラスのクリエイターを多数抱えるスター企業です。市場からの「もっと伸びるはず」という期待が大きすぎたために、今回の結果が物足りなく映り、個人投資家による見切り売りを招いてしまったと考えられます。期待値のコントロールは、人気企業ならではの難しい課題と言えるでしょう。
さらに、動画市場の競争は激しさを増しています。UUUMが誇る高いブランド力に対して、他社からの激しい追い上げが始まっているのです。同日にはIT大手のサイバーエージェントが、著名人の動画配信をバックアップする新事業を立ち上げたと発表しました。これにより、これまではYouTubeと無縁だった芸能人やタレントが次々と参入することが予想されます。勢力図が塗り替えられるかもしれないという危機感が、売りを加速させたに違いありません。
ここで注目すべきは、現在の株価が利益に対してどれだけ割高かを示す「PER(株価収益率)」という指標です。当時のUUUMのPERは約90倍という、非常に尖った水準にありました。これは一般的な企業の水準を大きく上回っており、それだけ将来の爆発的な成長が事前に織り込まれていたことを意味します。専門家からも、動画市場そのものの明るい未来を認めつつも、現在の業績から見ると今の株価は支えきれないというシビアな意見が出ています。
私は今回の株価急落を、動画ビジネスが「熱狂の第一ステージ」から「成熟の第二ステージ」へ移行する健全なプロセスだと捉えています。単に動画を投稿して稼ぐ時代は終わり、これからは芸能界を巻き込んだ質の高いコンテンツ勝負になるはずです。UUUMがこの荒波を乗り越え、パイオニアとしての底力を見せてくれるのか。過度な悲観に流されることなく、同社が仕掛ける次の一手や新たな事業展開をじっくりと見守っていきたいところです。
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