北海道の漁業関係者の間に、大きな衝撃と緊張が走っています。2020年1月15日の夕方、北方四島の沖合で操業を行っていた日本の漁船が、突然ロシア当局による立ち入り検査を受けました。連行されたのは、北海道根室市の歯舞漁業協同組合に所属しているマダラ底はえ縄漁船「第68翔洋丸」です。船体は29トンで、当時6人の乗組員が乗船していました。
この漁船が向かった先は、国後島にある古釜布の港です。ロシア名では「ユジノクリーリスク」と呼ばれるこの地域へ、同日のうちに身柄を移されてしまいました。ロシアのタス通信が伝えたところによると、極東サハリン州の国境警備局は、2020年1月15日に日本漁船を連行した事実を正式に認めている模様です。現時点で、他に検査を受けた船の情報は入っていません。
ここで今回の漁法である「底はえ縄漁」について解説しましょう。これは、長い幹縄に多数の枝縄をつけ、その先端にある針に餌を仕掛けて海底近くの魚を釣り上げる手法です。ターゲットを絞って漁ができるため環境への負荷が少ない反面、境界線が曖昧な海域での操業には常に危険が伴います。今回のトラブルも、まさにこうしたデリケートな場所で発生してしまいました。
インターネット上のSNSでも、この速報に対して多くの反響が寄せられています。「乗組員の方々の安全が何よりも心配だ」「早く無事に帰国してほしい」といった、拘束された漁師たちの身を案じる声が目立ちました。さらに、「北方領土周辺での漁はいつもリスクと隣り合わせで恐怖を感じる」といった、安全保障や外交問題に対する不安を吐露する意見も続出しています。
今回の事態に対し、北海道は迅速に正確な事実関係の把握を進めている状況です。安全な操業を守るためのルールや取り決めがあるにもかかわらず、このような拿捕や連行が繰り返される現状には強い憤りを覚えざるを得ません。政府には、乗組員全員の健康と安全を最優先に考え、一刻も早く解放されるようロシア側へ強く働きかけてほしいと切に願います。
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