神戸製鋼の挑戦!鉄とアルミの融合で挑む自動車軽量化の未来と、マルチマテリアル化への勝ち筋とは?

度重なる品質不正問題により、一時は成長の軌道から外れてしまった神戸製鋼所。そんな同社が今、起死回生をかけて全力を注いでいるのが自動車分野です。世界的な電気自動車(EV)の普及を追い風に、自動車業界では今、車体の「軽量化」が至上命題となっています。これまで主流だった鉄に加え、アルミや樹脂など多様な素材を組み合わせる時代が到来しているのです。国内の鉄鋼大手で唯一、鉄とアルミの両方を自社で製造し、それらを接合する独自の技術を持つ同社。この圧倒的な強みを武器に、新たな活路を見出そうとしています。

ネット上でもこの動きは大きな注目を集めており、SNSでは「不祥事を乗り越えて日本の技術力を世界に示してほしい」「鉄とアルミの両方を扱えるのは確かに強いアドバンテージ」といった、再起を期待する温かい声や鋭い指摘が数多く寄せられています。過去の過ちを真摯に受け止め、技術力で信頼を取り戻そうとする同社の姿勢は、多くの人の心を動かしているようです。

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テスラを徹底解体!現場から生まれる執念の技術解析

2020年01月16日、神戸市西区にある神戸製鋼所の研究開発拠点には、国内外の自動車メーカー関係者がひっきりなしに訪れていました。室内に鎮座するのは、骨格や足回りまでバラバラに解体された米テスラ製のEV2台。技術者たちは新車を一から解体し、どの部分にどんな強度の素材が使われ、どう接合されているのかを徹底的に分析しています。例えば高級モデルの「モデルS」は、軽さを追求するために車体の3〜4割にアルミが採用されていました。重いリチウムイオン電池を搭載するEVだからこそ、より軽量な接合技術が不可欠なのです。

この解体調査は約7年前に始まり、すでに国内外で10車種以上の実績を誇ります。自動車メーカーが明かさない最新の素材情報を自らの手で解き明かし、データを蓄積することが狙いです。これは自社の開発のためだけではなく、顧客との商談を有利に進める武器にもなります。「鉄とアルミ、さらに溶接まで手がける当社だからこその提案ができる」と、技術開発を統括する尾上善則副社長は胸を張ります。

「マルチマテリアル化」の時代を生き抜く、神鋼だけの切り札

現在の自動車業界では、部位ごとに最適な素材を使い分ける「マルチマテリアル化」が急速に進んでいます。米調査会社の推計によると、2010年時点で世界の車体材料の9割以上を占めた鉄の比率は、2040年には7割程度まで減少すると予測されています。そこで輝くのが、神戸製鋼所が持つ「異種素材の接合技術」という切り札です。

車向けで国内5割のシェアを誇るアルミパネル材や、高張力鋼板(ハイテン)と呼ばれる強度の高い鉄鋼製品を持つ同社ですが、異なる素材を繋ぐには高度なノウハウが必要です。下手をすれば腐食や割れの原因になりますが、同社は溶接材料の販売まで手がけているため、素材と接合の双方からアプローチが可能です。2019年06月にはマツダと共同で新しい溶接技術を発表し、基幹車種「MAZDA3」の足回り部品に採用されるなど、すでに実戦での成果を上げています。

縦割り組織からの脱却と、未来への確かな投資

2017年の不正発覚前までは、同社には根深い「縦割り組織」の弊害がありました。同じ自動車メーカーに対して、異なる部門の営業マンが別々に足を運ぶような非効率な体制が常態化していたのです。しかし、2020年04月には鉄鋼部門とアルミ・銅部門を統合し、顧客のニーズにワンストップで応えられる体制へと生まれ変わります。

さらに、北米の自動車向けアルミ工場に約50億円、兵庫県の加古川製鉄所には約500億円を投じるなど、軽量化時代を見据えた設備投資も着実に進めています。かつての閉鎖的な組織という弱みを克服し、多様な製品を持つという強みを最大限に活かせるかどうかが、これからの成否を分けるでしょう。

メディアの視点から言わせていただければ、神戸製鋼所のこの挑戦は、単なる一企業の復権劇にとどまらず、日本のものづくりの未来を占う試金石だと感じます。競合である日本製鉄やJFEスチールが「鉄の進化」で対抗し、化学メーカーが炭素繊維で攻め込むなか、鉄とアルミの双方を制する同社のポテンシャルは唯一無二です。失った信頼を回復するための再発防止策というブレーキをしっかりと踏みつつ、軽量化市場というアクセルをどれだけ力強く踏み込めるか。同社の未来を、今後も熱く見守っていきたいと思います。

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