メジャーリーグを揺るがしているサイン盗み問題により、また一人、球界の名将候補がユニフォームを脱ぐ事態となりました。ニューヨーク・メッツは2020年1月16日、新監督に就任したばかりのカルロス・ベルトラン氏の解任を発表したのです。2019年11月に3年契約を結んだばかりで、今シーズンから指揮を執る予定だった指揮官のまさかの退場に、ファンや関係者の間では計り知れない衝撃が広がっています。
今回の騒動は、2017年にヒューストン・アストロズが組織的に行っていたとされる「サイン盗み」が発端となっています。野球におけるサイン盗みとは、捕手と投手の間で交わされる指文字などの暗号を、ビデオカメラや電子機器といったルールで禁止された手段を用いて不当に解読し、バッターに球種を伝達する行為のことです。スポーツマンシップの根幹を揺るがす重大な不正行為として、大リーグ機構(MLB)は厳格な調査を進めてきました。
この問題では、アストロズのA・J・ヒンチ氏、ボストン・レッドソックスのアレックス・コーラ氏がすでに監督の座を追われており、ベルトラン氏は3人目の解任劇となります。現役時代にスイッチヒッター(左右両打ちの打者)の強打者として通算435本塁打を放った輝かしい経歴も、この不祥事で一気に色あせてしまいました。彼は2017年にアストロズの選手としてワールドシリーズ初制覇を経験したのちに引退しています。
しかし、MLBが公表した調査報告書には、衝撃の事実が記されていました。なんとベルトラン氏は、シーズン中にチームのサイン盗みを自ら主導していたとして、現役選手の中で唯一実名が挙げられていたのです。これにはSNS上でも「スターの裏の顔に幻滅した」「実名公表は重すぎる処分だが自業自得だ」といった失望の声が続出しました。一方で「選手だけが矢面に立つのは不公平だ」と、組織の体質を疑問視する意見も溢れています。
インターネットメディアの編集者としての視点ですが、テクノロジーの進化がスポーツの公平性を脅かす現状には強い危機感を覚えます。試合を優位に進めたいという勝利への執念が、超えてはならない一線を越えさせてしまったのでしょう。どれほど素晴らしい記録を持つ英雄であっても、ファンを裏切る行為は決して許されるべきではありません。今回の解任劇は、クリーンな球界を取り戻すための痛みを伴う第一歩になるはずです。
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