スマートフォンの普及により旅行のネット予約が当たり前になった現代ですが、航空業界では今、驚きの新技術を用いた「対面接客」のイノベーションが巻き起こっています。日本航空(JAL)とANAホールディングス(ANAHD)の航空大手2社は、遠隔地からまるでその場にいるかのように顧客をもてなす先進技術の開発に全力を注いでいるのです。
インターネット上では「SF映画の世界が現実になった」「どこでも専門的なサポートを受けられるのは心強い」と、早くも大きな話題を呼んでいます。単なる自動券売機とは一線を画す、人間味あふれる温かいサポートをどこにいても受けられる時代の幕開けと言えるでしょう。
JALが挑む!透明画面にスタッフが浮かび上がる驚きの実証実験
日本航空は、2019年12月17日から2019年12月20日までの4日間にわたり、NTTコミュニケーションズとタッグを組んで次世代型の接客実験を展開しました。東京の有楽町にある店舗と大手町の施設をネットワークで接続し、透明な画面に担当者の姿だけをくっきりと映し出すシステムを構築したのです。
ここには「リアルタイム被写体抽出」という高度な専門技術が使われています。これはカメラが捉えた映像から背景を瞬時に取り除き、人物の姿だけを切り取る仕組みのことです。これにより、まるで目の前にスタッフが立っているかのような驚くべき臨場感を実現しました。
期間中には約50人の顧客がこの未来の窓口を体験し、国内線や国際線の航空券、旅行商品の購入を楽しみました。実験を率いたJALデジタルイノベーション推進部の山田将平氏は、普段は実店舗に足を運ばない層にも体験してもらえたことで、対面だからこそ生み出せる深い価値を検証できたと確かな手応えを語っています。
ANAはロボットで対抗!移動もできる「アバター」の可能性
一方、ライバルであるANAHDも負けてはいません。同社は独自の新規事業として、遠隔操作ロボット技術である「アバター」の普及に力を注いでいます。これは単にモニター越しに会話をするだけでなく、遠く離れた場所からロボットを自分で動かし、現地を動き回るような体験ができる最先端のテクノロジーです。
彼らは2019年に「newme(ニューミー)」と呼ばれる独自の対話型ロボットを実用化させました。そして2019年12月以降には、東京の日本橋エリアでこのロボットを用いた接客販売の試みをスタートさせています。画面上の顔を見ながら対話するだけでなく、店舗内を案内してもらうような新しい買い物の形が始まっています。
格安航空会社(LCC)との差別化に挑む航空大手の真の狙い
なぜ航空大手がこれほど遠隔コミュニケーションに投資するのでしょうか。背景には、低価格を武器にする格安航空会社(LCC)との激しい競争があります。同じようにウェブサイトだけで航空券を販売していては、価格競争に巻き込まれて利益を削るだけの結果になりかねません。
本来であれば、丁寧な対面接客でサービスの質の高さを示したいところですが、全国に店舗を維持するには莫大な人件費や拠点の運営コストがかかってしまいます。そこで、専門知識を持つスタッフが1カ所から全国の顧客に対応できる、効率的かつ温かみのある遠隔システムが必要とされたのです。
私はこの取り組みこそ、デジタル社会における究極のおもてなしだと確信しています。自動音声やチャットボットが増える中で、旅の不安を「本物の人間」に相談できる安心感は何物にも代えられません。最新技術を駆使して移動の制約をなくし、最高峰のサービスを提供する大手航空会社の挑戦に、今後も目が離せません。
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