まるでSF映画の世界に迷い込んだかのような、驚きの技術が次々と誕生しています。映像技術やロボット、そして高速通信を駆使した「疑似体験サービス」が、今まさに本格的な普及期を迎えようとしているのです。凸版印刷やANAホールディングスといった名だたる企業が、この分野に熱い視線を注いでいます。
2019年09月11日までドイツのベルリンで開催されていた欧州最大の家電見本市「IFA」にて、凸版印刷が披露したVR(バーチャルリアリティ)技術は大きな注目を集めました。VRとは、コンピューターによって作られた仮想的な空間を、あたかも現実のように体験できる技術を指します。
会場では正面と左右の3面に設置された大型スクリーンにより、その場にいるような感覚で盆踊りを一緒に踊れる体験が提供されました。SNSでは「現地に行かなくても祭りの熱気を感じられるなんて凄い」「高齢で旅行に行けない家族にも体験させてあげたい」といった、期待に満ちた声が数多く寄せられています。
この技術を活用して、かつての城郭や街並みをデジタルで復元し保存しておけば、私たちはヘッドマウントディスプレイを装着するだけでタイムトラベル気分を味わえるでしょう。過去の景色と現在の街を重ね合わせるAR(拡張現実)技術を使えば、街歩きはより一層深みのあるものに進化するはずです。
こうした膨大な映像データをスムーズにやり取りするためには、次世代高速通信規格「5G」の普及が欠かせません。5Gは「高速・大容量」であるだけでなく、通信の遅延が極めて少ないという特徴を持っており、遠く離れた場所にいるガイドや研究者とリアルタイムで対話することを可能にします。
宇宙まで届く!?ANAが目指す「アバター」ロボットの可能性
一方で、航空大手のANAホールディングスは、さらに一歩踏み込んだ未来を描いています。同社が目指すのは、遠隔地に設置したロボットを自分の分身のように操作する「アバター」事業です。映像だけでなく「触れた感覚」まで伝送できる技術を組み合わせ、遠くのものを触る体験まで実現しようとしています。
このプロジェクトは、JAXAや大手通信会社、ゼネコンなどと連携した巨大な企業連合によって推進されています。2020年代前半には、地球と宇宙をつなぐという壮大な計画も進んでおり、もはや私たちの「移動」という概念そのものが根本から覆されようとしている事実に、私は強い興奮を覚えずにはいられません。
また、スタートアップ企業のオリィ研究所が開発した「分身ロボット」も、社会に大きな変革をもたらすでしょう。2019年10月には、東京都千代田区で期間限定の「分身ロボットカフェ」がオープンする予定です。ここでは、病気などで外出が困難な方々が、遠隔操作で接客や配膳を行っています。
単なる観光の代替手段に留まらず、教育や医療、そしてテレワークといった多様な分野で、5Gとロボット技術は人々の可能性を広げていくはずです。物理的な距離という制約をテクノロジーが超えていくこの流れは、誰もが社会に参画できる「真のバリアフリー」を実現するための鍵になると私は確信しています。
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