世界の自動車業界に、地殻変動とも言える巨大なニュースが飛び込んできました。アメリカの自動車大手であるゼネラル・モーターズ(GM)がインド市場から完全に撤退する見通しとなり、その工場を中国の民営自動車大手である長城汽車が買収することで合意したのです。この発表は2020年1月17日に行われ、業界内だけでなくネット上でも大きな注目を集めています。
SNSでは「GMのインド撤退は一つの時代の終わりを感じる」「中国メーカーの勢いがついにインドまで波及したか」といった驚きの声が相次いでいる状況です。さらに「これからのインドはEVやSUVの主戦場になりそう」など、今後の展開に期待を寄せるクルマ好きの熱いコメントも数多く見られます。多くの人々が、この勢力図の変化に高い関心を持っていることがうかがえるでしょう。
今回、長城汽車が買い受けるのは、インド西部のマハラシュトラ州に位置するGMの生産拠点です。取引の具体的な金額については公式に明かされていません。しかし、一部のメディアでは最大で3億ドル(日本円で約330億円)にのぼる規模になると報じられています。GM側は現地で働く従業員の雇用引き継ぎや退職に向けたサポートを実施し、2020年後半には売却の手続きを完了させる予定です。
成長の起爆剤を求めて!長城汽車がインドへ進出する狙い
長城汽車は、今回の拠点獲得を足がかりにしてインド市場へ本格的に乗り出す構えをみせています。現地では、若者に人気の高いSUV(スポーツ用多目的車)や、次世代のクリーンカーとして注目されるEV(電気自動車)の生産を検討している模様です。同社の劉向上・戦略副総裁は、インドが持つ巨大な潜在能力を高く評価しており、今回の参入がグローバル戦略を推し進める上で極めて重要な一歩になると確信をのぞかせています。
ここで、長城汽車という企業について少し詳しく解説しておきましょう。同社は1984年に設立された中国の民営自動車メーカーで、特に悪路走破性に優れたSUVの分野で高い実績を誇っています。2019年の販売実績は、市場全体の冷え込みを跳ね返して前年比1%増の106万台を記録しました。さらに、ドイツの高級車ブランドであるBMWとEVに関する合弁事業を計画するなど、技術革新にも貪欲な企業です。
彼らが海外展開を急ぐ背景には、お膝元である中国市場の停滞があります。世界最大を誇る中国の自動車市場ですが、2019年の新車販売台数は前年比8%減の2576万台にまで落ち込みました。2020年もこの低迷が続くと予想されるため、メーカー各社は生き残りをかけて新たな新興国市場の開拓に必死なのです。一方でインドの2019年の市場も13%減の381万台と苦戦していますが、将来的な成長余力は群を抜いています。
これに対してGMは、インド国内での販売不振が続いていました。2017年にはすでにインド国内向けの販売を終了させており、その後は今回売却が決まった工場を輸出車両の専用拠点として稼働させていたのです。今回の完全撤退により、GMは不採算地域を整理して経営資源を他の成長分野へ集中させる方針だとみられます。主役が入れ替わったインド市場が今後どのように変貌していくのか、世界中が熱い視線を注いでいます。
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