2020年01月20日、卓球界に大きな衝撃が走りました。東京五輪が開催される記念すべき年に「無敗の女王」という高みを目指して全日本卓球選手権に臨んだ伊藤美誠選手ですが、その快進撃がついにストップしたのです。女子シングルス準決勝という大舞台で彼女の前に立ちはだかったのは、普段はダブルスで固い絆を結んでいるパートナーの早田ひな選手でした。歴史に刻まれるはずだった史上初の3年連続3冠という偉業を目前にしての惜敗に、試合後の伊藤選手は「本当に悔しい」と大粒の涙を流しています。
試合は序盤から波乱の展開を見せました。伊藤選手の最大の武器である「サーブレシーブ」で主導権を握ることができず、立て続けに2ゲームを先取される苦しいスタートを強いられます。サーブレシーブとは、相手のサーブを打ち返すレシーブ技術全般を指しますが、ここで先手を取れなかったことが響きました。しかし、そこは世界屈指の実力者です。単調になっていたサーブの組み立てを瞬時に修正し、驚異的な粘りで試合を最終の第7ゲームへと持ち込む執念を見せてくれました。
SNS上では、この劇的な展開にファンからの熱い声援が飛び交っています。「実力者同士のハイレベルなラリーに息をのんだ」「これぞ黄金世代の対決」といった感動のコメントが溢れ、トレンド入りを果たすほどの盛り上がりを見せました。お互いの手の内を知り尽くした2人だからこそ、1点を奪い合う攻防は熾烈を極めています。ミスを最小限に抑えて完璧な試合運びを続ける早田選手を崩すことは、天才と称される伊藤選手にとっても至難の業だったのでしょう。
試合後、伊藤選手は「1点をもぎ取ることがこれほど難しいとは」と、当時の心境を率直に吐露しています。大会前に早田選手と何度も練習を重ねていたため、自慢の球質を完全に見切られていたことも敗因に挙げられるでしょう。それでも彼女は言い訳を一切せず、「自分の出せる力はすべて出し切った。完全に実力で負けた」と相棒を称賛しました。この潔いスポーツマンシップこそが、多くのファンを魅了してやまない彼女の美学だと確信します。
私自身、今回の敗戦は伊藤選手にとって決してマイナスではなく、さらなる進化へのプロローグだと信じて疑いません。無敗で勝ち続けることよりも、敗北から課題を見つけ出すことの方が、アスリートを大きく成長させるからです。今月下旬からは、すぐに過酷な国際大会の連戦が幕を開けます。「負けて良かったなんて絶対に思わないけれど、この悔しさがあるからこそ、私はまた強くなれる」と前を向く彼女の言葉には、女王としてのプライドが満ちていました。
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