【卓球W杯】東京五輪の前哨戦で見えた日本勢の進化と課題!平野早矢香が読み解く「中国越え」への道筋

2019年11月10日まで東京体育館で開催された卓球のワールドカップ団体戦は、まさに来たる東京五輪のシミュレーションとも言える熱い戦いとなりました。日本女子は惜しくも準優勝、男子も3位という結果でしたが、いずれも絶対王者・中国の壁をどう崩すべきか、鮮明な課題と収穫が得られたはずです。ロンドン五輪銀メダリストの平野早矢香さんも、今回の日本代表の奮闘には確かな手応えを感じています。

SNS上では「伊藤選手の追い上げに鳥肌が立った」「張本選手の精神的な成長が凄まじい」といった熱狂的な声が溢れており、自国開催のプレッシャーを力に変える選手たちの姿に多くのファンが魅了されました。特に女子決勝で伊藤美誠選手が見せた、中国の次世代エースである孫穎莎選手への猛追は、世界中に衝撃を与えています。10月の対戦で苦しんだサーブを完璧に攻略した前半の戦術は、実に見事なものでした。

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常識を覆す中国の攻撃力とダブルスの進化

しかし、最終盤で孫選手が見せたプレーは、これまでの卓球界のセオリーを覆すものでした。通常、負けられない重圧がかかる場面では、ミスを恐れて守りに入る「繋ぎ」のプレーが増えるものです。ところが彼女は、崖っぷちの状況でさえもバックハンドを強気に振り抜いてきました。これは現代卓球における「バックハンド(手の甲側で打つ打法)」の進化を象徴しており、日本勢にとっては更なるコース取りの工夫が必要であることを示唆しています。

また、五輪でも鍵を握るダブルスにおいて、石川佳純選手と平野美宇選手のペアは非常に高い集中力を見せてくれました。台上プレー(ネット際の短いボールを処理する技術)の精度は確実に向上しており、練習の成果が随所に現れています。ただ、中国や韓国といった強豪国は、こちらの想定を上回る「あともう一本」を返してきます。過酷な代表選考レースの中にある彼女たちですが、本番までの伸びしろは十分にあるでしょう。

エースの覚醒と五輪へのメンタルマネジメント

男子に目を向けると、大黒柱である水谷隼選手の故障という緊急事態の中、張本智和選手が圧倒的な存在感を放ちました。これまでの団体戦では、迷いが生じるとフットワークが止まってしまう場面も見受けられましたが、今回は「自分が勝たねばならない」という責任感が彼を突き動かしたようです。強豪ドイツを相手に2勝を挙げた経験は、彼を精神的にも一回り大きく成長させたのではないでしょうか。

私自身の視点から言わせていただければ、今大会の最大の実績は「五輪本番の空気感」を肌で感じられたことです。東京体育館に響き渡った大声援は選手の背中を押す一方で、時として鋭い緊張感へと形を変えます。応援をプレッシャーではなく追い風にするためには、こうした国際大会での実戦経験が不可欠です。男子はドイツや韓国との激しい2番手争いを勝ち抜き、女子は向かってくる他国の挑戦を退ける周到な準備が求められます。

2019年11月15日現在、五輪へのカウントダウンは着実に進んでいます。今回の「前哨戦」で味わった悔しさと手応えこそが、金メダルへのラストピースになるに違いありません。世界との差は確実に縮まっており、戦術のブラッシュアップ次第で頂点が見える位置に私たちは立っています。厳しい冬を越え、日本代表がどのような進化を遂げて聖地に戻ってくるのか、今から期待が膨らんで止みません。

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