製紙用部品の分野で高いシェアを誇る日本フイルコンが、劇的なV字回復を果たしました。同社は2020年1月9日、2020年11月期の連結最終損益が8億円の黒字に転換する見通しであることを公表しています。前期の4億4500万円という巨額の赤字から一転しての明るいニュースに、市場からも大きな注目が集まりました。
この劇的な黒字化を支える大きな要因が、同社の強みである製紙部品の製造技術を応用した、大型タッチパネル用部品などの販売回復です。さらに、前期に足を引っ張る形となった半導体関連設備における約10億円の減損損失、つまり資産の価値を切り下げる帳簿上の損失処理がなくなることも、利益を大きく押し上げる要因となっています。
SNSなどのネット上では、「技術力のある企業がしっかり復活するのは嬉しい」「ピンチをチャンスに変える底力を感じる」といった、同社の復活を好意的に受け止める声が数多く寄せられていました。独自の技術を異なる成長分野へ見事にシフトさせた同社の手腕は、多くのビジネスパーソンにとっても非常に興味深い事例だと言えるでしょう。
売上高も順調に拡大!東京オリンピックを控えた特需も追い風に
全体の業績見通しに目を向けると、売上高は前期比4%増の258億円、本業の儲けを示す営業利益は59%増の10億円となる見込みです。スマートフォンの普及やデジタル化の波に乗り、主力であるタッチパネル関連のビジネスが非常に好調な波を捉えていることが伺えます。
さらに、近年の国内におけるホテル開業ラッシュに伴い、プール用のろ過装置の販売が急伸している点も見逃せません。これは観光需要の拡大を見据えたインバウンド特需の恩恵をダイレクトに受けている証拠であり、同社のビジネスモデルがいかに時代のニーズに合致しているかを物語っています。
筆者としては、単なる製紙部品メーカーに留まらず、半導体や観光インフラといった時代のトレンドを掴んだ多角化経営こそが、今回の勝因だと分析しています。一時的な赤字に縮こまることなく、次の成長の種を蒔き続けた同社の姿勢は、今後のさらなる飛躍を予感させるに十分なものではないでしょうか。
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