2020年01月22日、日本の株式市場はもどかしい局面に直面しています。日経平均株価が28年ぶりの高値を目前にしながら足踏みを続けており、前日には200円以上も値下がりしてしまいました。連日のように史上最高値を更新して沸き立つアメリカ市場や、勢いづく新興国市場と比べても、現在の日本株の見劣りは否めません。世界的な景気の底打ち感や金融緩和を背景に、海外の投資資金が新興国へ次々と流れ込む一方で、日本への流入は限定的であり、まさに「置いてけぼり」の様相を呈しています。
市場のエネルギーを示す東証1部の売買代金を見ても、2020年01月20日は1兆4179億円、翌21日も1兆6704億円と、今年最低水準の薄商いが続いています。売買代金とは市場で株が取引された総代金のことで、これが少ないということは市場に参加する投資家が少なく、活気がない状態を意味します。専門家からも「積極的に買い上がる材料が見当たらない」との声が漏れるほど、現在の日本市場は投資家の関心を引きにくくなっているのが現状でしょう。SNS上でも「日本株だけが上がらない」「完全に世界の成長から取り残されている」といった悲観的な投稿が散見されます。
これとは対照的に、ブラジルやロシアといった新興国の株価指数は過去最高値を塗り替えており、インドの市場も大台を突破するなど活況を呈しています。投資信託の資金フローを見ても、2019年10月後半から新興国へは累計で約3兆円もの巨額マネーが流入しているのに対し、日本株ファンドへの流入はわずか3700億円程度にとどまります。この差が株価の勢いの違いとなって激しく表れているのです。
なぜ日本株は選ばれないのか?求められる成長へのシナリオ
海外で金融緩和や大規模な景気対策が評価される中、日本の景気対策は国内の需要を刺激する「内需中心」であるため、海外で稼ぐ「外需銘柄」への恩恵が薄いと指摘されています。さらに、これから本格化する企業の決算発表を前に、自動車や金融といった主要産業の業績回復に対して、投資家が自信を持てずに警戒していることも買い控えの要因です。筆者の視点としても、現在の日本市場には世界を牽引するような明確な成長ストーリーが見えにくく、投資家が二の足を踏むのは当然であると感じます。
しかし、この沈滞ムードの中に変化の兆しも現れ始めました。長期的な視点で資産を運用する海外の投資家が、日本株の現物を買い始める動きがひそかに観測されているのです。実際に株価が下落する局面でも、新興国の成長力を上手く取り込んでいる一部の自動車メーカーや機械メーカーの株価が値上がりする「逆行高」が起きています。新興国の勢いを吸収して成長できる企業を見極めようとする動きが、プロの投資家の間で始まっている証拠です。
インターネット上では「隠れた優良銘柄を仕込むチャンスかもしれない」と、前向きに捉える投資家の声も徐々に増えてきました。日本株が再び高値を追い求め、活気を取り戻すための最大のカギは、現在新興国に流れている莫大な資金が、再び日本市場へと還流してくるかどうかにかかっています。世界的なマネーの循環を味方につけ、日本市場が再び輝きを取り戻すシナリオに期待したいところです。
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