2020年1月23日の東京外国為替市場で、円相場が3営業日ぶりにわずかながら値下がりへと転じました。午後17時現在の取引水準は1ドル=110円00銭から01銭近辺となっており、前日の同じ時間帯と比較すると3銭ほどの円安・ドル高が進んだ形です。中国を中心に感染が広がっている新型肺炎への強い警戒感から、一時は安全資産とされる円を買って米ドルを売る動きが先行しました。市場には一時ピリピリとした緊張感が漂っていた模様です。
しかし、その後の展開では流れが変わり、東京株式市場で日経平均株価が値上がりしたほか、アジア諸国の株価も総じて底堅い値動きを維持しました。この投資心理の改善を受けて、投資家の間では過度なリスク回避の姿勢が和らいでいくことになります。その結果、市場が安定している局面で売られやすい「低リスク通貨(世界的な危機時に買われやすく、平時には手放されやすい安全な通貨)」としての円を売る動きが、次第に優勢となっていきました。
SNS上でもこの動きは大きな注目を集めており、「110円の攻防ラインが非常に熱い」「新型肺炎のニュースで一時的に円高に振れたけれど、株価が強くて結局押し戻された印象だ」といった、市場の綱引き状態をリアルタイムで分析する声が多数上がっています。有事の円買い圧力と株高による円売り圧力の双方が激しくぶつかり合っている様子が、ネットの反応からもリアルに伝わってくるでしょう。
一方で、円は欧州の共通通貨であるユーロに対しては3日連続で値を上げる展開を見せており、通貨ごとの強弱がはっきりと分かれています。筆者の視点としては、感染症拡大という実体経済への脅威があるにもかかわらず、株価の底堅さに支えられて円安に戻る現在の市場は、やや楽観的な見方に傾きすぎている印象を受けざるを得ません。目先の株価にとらわれず、感染拡大の規模や経済活動への長期的な影響を慎重に見極める冷静な視点が、今まさに投資家には求められています。
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