世界中で動画配信サービスのシェア争いが激化する中、王者の勢いが止まりません。米動画配信大手のネットフリックスが2020年1月21日に発表した2019年10〜12月期の決算は、純利益が前年同期の4.4倍となる5億8697万ドルに達しました。四半期ベースで過去最高を更新する驚異的な数字です。
今回の決算で最も注目すべきは、米国外の有料会員数が初めて1億人の大台を突破した点でしょう。世界の合計会員数は1億6709万人に上り、わずか3ヶ月で876万人も増加しています。SNS上では「もはやインフラレベルの普及率」「海外作品のクオリティが高すぎる」といった驚きと納得の声が溢れていました。
これほど会員が伸びた背景には、各地域に寄り添ったローカル戦略の成功があります。特に日本では、2019年12月31日から独占配信が始まったアイドルグループ「嵐」のドキュメンタリー番組が大きな話題を呼びました。ファンを中心に「嵐を見るためにネトフリに加入した」という投稿が相次ぎ、国内の会員基盤を大きく押し上げた模様です。
強力なライバルの出現も、巨人の進撃を止めることはできませんでした。この時期は米ウォルト・ディズニーなどの巨大資本が独自の動画配信サービスに相次いで参入し、既存の勢力図が塗り替えられるのではないかと懸念されていたのです。いわゆるストリーミング・ウォーズ(動画配信戦国時代)の幕開けとして業界の注目が集まっていました。
主戦場である米国では、会員の純増数が42万人にとどまり、会社側が掲げていた60万人増という目標には届きませんでした。やはり競合の猛追による影響は少なからず出ているようです。しかし、ロバート・デ・ニーロ氏が主演を務めたマフィア映画「アイリッシュマン」といった大型独占コンテンツの投入が功を奏し、会員数の減少という最悪の事態は免れました。
私はこの結果を見て、コンテンツの「質」と「多様性」への投資こそが最強の防御壁になると確信しました。他社が過去の名作を武器に戦う中、ネットフリックスは巨額の資金を投じてアカデミー賞級のオリジナル作品を自社制作しています。この攻めの姿勢が、ユーザーに「ここでしか見られない価値」を提供し続けている理由なのでしょう。
この快進撃はどこまで続くのでしょうか。同社は2020年1〜3月期の業績について、売上高は57億3100万ドル、純利益は前年同期の2.2倍となる7億5000万ドルを見込んでいます。世界会員数はさらに700万人上積みされ、1億7409万人に達する予測です。競争が激化するほど輝きを増す絶対王者のエンタメ革命から、今後も目が離せません。
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