地銀7割が減益の衝撃!「与信費用」倍増で迫られるビジネスモデルの歴史的転換点

全国の地方銀行がかつてない荒波に揉まれています。2019年11月20日に明らかになった上場地銀78グループの2019年4月から9月期連結決算は、私たちが想像する以上に厳しい現実を突きつけました。不祥事の影響が大きかったスルガ銀行を除外して分析しても、全体の約7割にあたる56行が最終的な減益、あるいは赤字に転落するという異例の事態に陥っています。

今回の決算で最も注目すべきは「与信費用」の急増でしょう。これは融資先の経営悪化によって将来お金が返ってこないリスクに備える「貸倒引当金」や、実際に回収不能となった損失を指します。驚くべきことに、この費用が前年同期の2倍以上に膨れ上がっているのです。地域経済の屋台骨である中小企業の経営難が、いよいよ銀行の数字を直撃し始めたといえるでしょう。

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支援の「息切れ」が招く倒産ラッシュの懸念

背景には、リーマン・ショック後に施行された「中小企業金融円滑化法」の影響が色濃く影を落としています。返済を猶予することで延命を図ってきた企業が、いよいよ立ち行かなくなる「息切れ」の状態が顕在化しているのです。SNS上でも「ついに限界が来たか」「延命措置だけでは根本解決にならなかった」といった、厳しい先行きの見通しに対する不安の声が数多く上がっています。

帝国データバンクの調査によれば、返済猶予を受けた後に倒産する企業は2018年度から3年連続で増加傾向にあります。2019年4月から9月の累計でもすでに255件に達しており、前年度を上回るペースで推移しているのが現状です。人手不足や後継者難といった構造的な課題が、中小企業の事業継続をより困難なものにしており、それが地銀の経営を圧迫する悪循環を生んでいます。

低金利の呪縛と異業種連携による生き残り戦略

本業の稼ぐ力も低迷を極めています。日銀によるマイナス金利政策の影響で、2019年8月時点での新規長期貸出金利は1%を下回る水準まで低下しました。まさに「貸せば貸すほど苦しい」という薄利多売の状況です。これまで投資信託の解約益などで表面上の利益を繕ってきた地銀が約9割にものぼるという事実は、彼らが立っている地盤がいかに脆いかを物語っています。

こうした苦境を受け、業界では地殻変動が起きています。島根銀行がSBIホールディングスという異業種からの出資を受け入れたり、ライバル同士が提携を模索したりと、形を振り捨てた生き残り戦が始まっています。私は、地銀が単なる「金貸し」から脱却し、コンサルティングや事業承継支援といった、地域密着型ならではの付加価値を提供できない限り、この沈没は止まらないと考えています。

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