2019年11月14日、あおぞら銀行から発表された2019年4月1日から2019年9月30日までの連結決算は、多くの投資家やビジネスマンが注目する内容となりました。最終的な利益を示す純利益は202億円を記録しましたが、これは前年の同じ時期と比較して5%の減少にあたります。数字だけを見ると少し寂しい印象を受けるかもしれませんが、その内訳を詳しく分析すると、銀行経営の複雑な舞台裏が見えてくるでしょう。
今回の減益に大きな影響を与えたのは「貸倒引当金(かしだおれひきあてきん)の戻り益」が減少したことです。貸倒引当金とは、融資したお金が返ってこないリスクに備えて、あらかじめ費用として計上しておく「将来への備え」を指します。融資先の経営状況が予想以上に良くなると、この備えが不要になり利益として戻ってくるのですが、前年度に比べてそのインパクトが小さかったことが今回の微減に繋がりました。
SNS上では「地銀や中堅行の苦境が続く中で、この数字は健闘しているのではないか」といった冷静な分析や、「配当利回りへの影響が気になる」という株主目線の切実な声が飛び交っています。低金利時代において銀行が利益を確保することの難しさを、多くのユーザーが実感しているようです。しかし、ネガティブな側面ばかりではなく、銀行が自らの力で稼ぎ出す「本業の底力」については、ポジティブな驚きを持って受け止められています。
実際に、銀行が本来のビジネスでどれだけ稼いだかを示す「実質業務純益(じっしつぎょうむじゅんえき)」は、単体ベースで260億円と前年比17%の大幅増を達成しました。実質業務純益とは、一般企業の営業利益に近い概念で、有価証券の売却損益などを除いた純粋な収益力を表す指標です。外貨を調達するためのコストが上昇し、利ざやが削られる厳しい環境下でも、あおぞら銀行は着実に収益を積み上げる仕組みを構築しています。
特に注目すべきは、法人向けビジネスにおける手数料収益の伸びでしょう。融資による利息収入に頼りすぎず、企業の課題解決を支援するコンサルティングやソリューション提供を通じて対価を得るスタイルが、結果として実を結んでいるのではないでしょうか。私個人の見解としては、従来の「お金を貸すだけ」の銀行モデルから脱却し、付加価値の高いサービスを提供しようとする同行の攻めの姿勢が、この数字に表れていると感じます。
不安定な世界情勢や金利の変動など、銀行を取り巻く向かい風は依然として止む気配がありません。しかし、あおぞら銀行が示した「本業での成長」は、今後の金融業界における生存戦略のヒントを示唆していると言っても過言ではないでしょう。2019年度後半に向けて、この勢いを維持しながらどのようにリスクをコントロールしていくのか、編集部としても引き続きその動向を注視していきたいと考えています。
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