東北の地方銀行が直面する試練。2019年4~9月期決算で見えた「異業種提携」という生き残りへの新戦略

東北地方を支える金融インフラに、かつてない激震が走っています。2019年11月14日に出そろった東北6県の地方銀行13行・グループの2019年4~9月期連結決算は、実に9つの銀行・グループが減益または赤字に陥るという、非常に厳しい現実を突きつける内容となりました。

SNS上では「地元の銀行が赤字なんて不安」「貯金の金利は低いのに銀行も苦しいのか」といった、将来を不安視する声が数多く上がっています。長引く超低金利政策の影が、東北の経済を支える屋台骨をじわじわと侵食している様子が、数字として浮き彫りになった形です。

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低金利と人口減の二重苦に苦しむ地銀の現状

今回の決算で最も注目を集めたのは、みちのく銀行の赤字転落でしょう。2019年4~9月期の連結最終損益は15億円の赤字となり、2020年3月期の通期予想も42億円の赤字へと大幅に下方修正されました。これはリーマン・ショック以来、11年ぶりの深刻な事態です。

赤字の主な要因は、店舗の統廃合に伴う減損処理や、将来の貸し倒れに備える「与信費用」の増加にあります。ここでいう与信費用とは、取引先の経営悪化などに備えてあらかじめ計上するコストのことですが、これが予想を上回ったことで利益を大きく削る結果となりました。

さらに、銀行の本業ともいえる「資金利益」の停滞が深刻です。これは預金として集めたお金を貸し出し、その利息で稼ぐ利益のことですが、日本銀行によるマイナス金利政策の影響で、貸し出せば出すほど利益が削られるという「逆ザヤ」に近い状況が続いています。

山形銀行のように「無理な営業を控える」という経営判断を下す銀行も現れており、もはや預金と貸出という伝統的なビジネスモデルだけでは、地方銀行が立ち行かなくなっていることは明白です。この現状を打破するため、各行は今、大きな決断を迫られています。

SBIとの提携も!加速する異業種連携と再編の波

苦境を脱するべく、これまでの常識を覆す動きも加速しています。福島銀行は2019年11月11日、ネット金融大手であるSBIホールディングスとの資本業務提携を発表しました。これは自前主義を脱却し、外部のノウハウを積極的に取り入れる攻めの姿勢の現れです。

また、青森銀行とみちのく銀行のように、包括的な業務提携によってコスト削減を目指す動きも活発化しています。もはやライバル同士で競い合っている場合ではなく、共通の課題に対して「手を取り合って生き残る」というフェーズに突入したといえるでしょう。

私自身の見解としても、この流れは必然であると感じます。人口減少が加速する東北において、銀行が単なる「お金の貸し手」に留まる時代は終わりました。地域経済のコンサルタントとして、デジタル技術や異業種の知恵を融合させることが、再生への唯一の道です。

今後は、銀行口座の維持手数料の導入検討など、私たち利用者にとっても変化が訪れるでしょう。しかし、それは地域の金融機能を維持するための苦渋の選択でもあります。地銀がどう生まれ変わるのか、2019年の今、私たちは歴史的な転換点に立ち会っているのです。

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