日本の伝統文化である「折り紙」の技術が、未来の自動車安全性を劇的に向上させるかもしれません。明治大学の萩原一郎特任教授らの研究グループが、車の衝突事故が起きた際の衝撃を極めて効率的に和らげることのできる、全く新しい車載装置の開発に成功しました。
自動車の前後に搭載されている「クラッシュボックス」と呼ばれる衝撃吸収装置は、万が一の衝突時に自らが潰れることで、乗員や歩行者へのダメージを軽減する極めて重要な役割を担っています。しかし従来の装置は、潰れた際にかさばってしまい、エネルギーを十分に吸収しきれない課題を抱えていました。
そこで救世主となったのが、折り紙の構造や発想を先端技術に応用する「折り紙工学」です。この学問は宇宙宇宙建造物の展開パネルなどにも使われる最先端の分野であり、今回は金属の管にらせん状の折り目を入れることで、驚くべき進化を遂げました。
今回の新開発によって、従来の装置と比較して約1.4倍もの衝突エネルギーを吸収できるようになりました。さらに、潰れ始めるまでに必要な力も従来の6割から7割程度に抑えられており、衝突直後の最も危険な衝撃をスムーズに逃がすことが可能になります。
SNS上でもこの技術は大きな注目を集めており、「日本の伝統が最先端の安全技術になるなんて素晴らしい」「早く実際の車に導入されてほしい」といった、実用化を心待ちにするポジティブな声が多数寄せられています。
ただ、これまではこの複雑な構造を大量生産する適切な製造方法が見つかっていませんでした。ロボットが金属板を一枚ずつ折る手法では時間がかかりすぎ、高圧の液体で金属を変形させる手法は、コストが莫大になるという壁が存在していたのです。
この問題を解決するため、萩原特任教授は金属管に可動式のネジを2つ取り付け、加熱して柔らかくした状態で逆向きにねじるという、非常にシンプルかつ画期的な製造法を生み出しました。高価な設備を必要としないため、劇的なコスト削減が期待できます。
研究グループは、2020年1月にもこの新製法で作られた構造の実証実験を行い、シミュレーション通りの理想的な性能を持つことを確認しました。伝統の知恵が詰まったこの安全装置が、世界中のドライバーの命を救う日はすぐそこまで来ていると言えるでしょう。
筆者としては、複雑なハイテク機器に頼るだけでなく、幾何学的な「構造」そのものの工夫によって安全性を高めるアプローチに深い感銘を受けました。安価に製造できる点も含め、ものづくり大国である日本の強みを活かした素晴らしいイノベーションです。
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