ネット通販の拡大に伴い、私たちの生活はますます便利になっています。しかしその裏では、荷物を届ける宅配大手が深刻な人手不足に直面しているのをご存知でしょうか。運賃の値上げや荷受けの制限が相次ぐなか、中小の運送会社が手を取り合ってこの難局に立ち向かおうとしています。中小運送会社で構成される「ラストワンマイル協同組合」が、2020年1月中に大阪府で新たな運送事業を開始することが決定いたしました。関西エリアの通販需要を取り込む、大きな一歩となりそうです。
SNS上では「配送費が高騰するなかで、こうした選択肢が増えるのはありがたい」「中小企業が連携して大手に対抗する姿を応援したい」といった前向きな声が届いています。今回の大阪進出にあたり、近鉄百貨店の運送子会社である「近畿配送サービス」が同組合に加わりました。2020年1月からは、大阪府内の企業が運営するネット通販の商品を集荷する業務からスタートします。将来的には、それぞれの個人宅へ荷物を届ける宅配業務までを一貫して担う計画が進められている状況です。
ここで注目したいのが、組合の名称にもある「ラストワンマイル」という専門用語です。これは物流業界において、最終拠点からお客様の自宅へ荷物を届ける「最後の区間」を指します。配送全体の効率や顧客満足度を左右する極めて重要なプロセスですが、現在は人手不足が最も深刻な領域でもあります。大手に依存せず、中小企業が連携してこの重要なラストワンマイルを直接担う仕組みを作った点に、この取り組みの革新性があると言えるでしょう。
2018年4月に首都圏の中小運送会社23社によって設立されたこの組合は、荷主と直接取引を行うことで、独自の差別化戦略を展開してきました。たとえば、荷主が自ら荷物を仕分けして持ち込めば運賃を割り引くといった画期的なサービスが好評を博しています。今回の大阪での共同配送は、首都圏に続く2カ所目の拠点となります。お中元や歳暮の減少に悩んでいた近畿配送サービスにとっても、この組合への加入は安定収益を確保するための頼みの綱となるはずです。
配送業界の地殻変動を感じさせる今回の動きですが、私は中小運送会社の生存戦略として非常に理にかなった素晴らしい試みだと確信しています。大手宅配企業に頼り切るのではなく、独自のネットワークを構築することで、荷主にとっても運送会社にとってもウィンウィンの関係が生まれるでしょう。配送効率の向上は環境負荷の軽減にもつながるため、今後の関西圏でのサービス拡大と、それに伴う物流業界全体の健全な発展に大きな期待を寄せたいところです。
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