ネット通販の荒波に揺れるヤマト運輸!業績回復に遅れが生じる宅配大手の現状と未来への挑戦

宅配便業界で圧倒的なシェアを誇るヤマトホールディングス(HD)ですが、現在は業績の立て直しに苦戦を強いられています。2019年4月1日から2019年12月31日までの期間における連結営業利益は500億円台の半ばにと留まり、前年の同じ時期と比べて3割近くも落ち込む見通しであることが判明しました。これにはネット通販市場の急速な変化が大きく関わっています。

減益の主な原因は、主戦場であるEC(電子商取引)市場において大口顧客が他社へと流出してしまったことです。ECとはインターネットを通じてモノやサービスを売買する仕組みのことですが、この分野での顧客離れを食い止めることができず、結果として荷物の取扱量が落ち込んでしまいました。過去に実施した料金改定のメリットを十分に活かしきれていない深刻な構図が浮き彫りとなっています。

実際に2019年10月1日から2019年12月31日までの取扱数は、前年より3パーセント弱ほど減少して約5億1000万個となりました。また2019年4月1日から12月31日までの累計でも0.7パーセント減の約13億9000万個に沈んでいます。配送現場の労働力不足が限界に達したため、同社は2017年10月から値上げと同時に受注制限をかけていましたが、これが裏目に出た形です。

ヤマトが配送量を抑えている隙に、インターネット通販を展開する大口企業は、より低価格な運賃を提示するライバルの競合他社へと配送の発注をシフトさせていきました。SNS上でも「最近はヤマト以外の配達員を見かけることが本当に増えた」「便利だけど送料が高くなったから他社に流れるのも納得」といった、市場の変化を肌で感じている消費者のリアルな声が多数上がっています。

同社は2019年10月末の時点で、今期の予想営業利益を前期比6パーセント増の620億円へと下方修正していました。しかし、この計画は荷物の取扱数が2パーセント以上増えることを前提として組み立てられたものです。現状の推移を見る限り、当初の目算通りに荷物量を回復させることは極めて難しく、厳しい現実に直面していると言わざるを得ません。

個人的な見解として、今回の苦戦はインフラ企業が抱える「防衛」と「成長」のジレンマを象徴していると感じます。労働環境を守るための値上げや受注制限は、持続可能な経営のために不可欠な決断でした。しかし、スピード感の早いネット通販の世界では、その一瞬の隙が命取りになります。今後は単なる価格競争ではなく、付加価値の高い新サービスでの巻き返しを期待したいところです。

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