日本ショッピングセンター協会が2019年12月24日に発表した速報データによりますと、国内のショッピングセンター(SC)総数は3219施設となり、前年末から1カ所減少しました。この数値が前年を下回るのは2003年以来のことですから、業界にとってはまさに16年ぶりの歴史的な転換点を迎えたと言えるでしょう。
今回の集計において対象となったのは、店舗面積が1500平方メートルを超え、かつ10店舗以上のテナントが入居する比較的大規模な商業施設です。数字の上ではわずか「1」の減少ではありますが、長らく右肩上がりを続けてきた巨大市場が、ついに飽和状態に達したことを如実に物語っています。
活発な新規開業を上回る「地方の閉鎖ラッシュ」という現実
2019年における新規開業数は46施設に上り、2015年以来、4年ぶりに前年実績を上回る活況を見せていました。しかし、その華々しい誕生の影で、宇都宮パルコなどの著名な施設が幕を下ろすなど、地方都市を中心に既存店舗の撤退が相次いだことが、総数を押し下げる決定打となったのです。
閉鎖が加速した背景には、スマートフォンの普及による「EC(電子商取引)」の爆発的な成長があります。ECとは、インターネット上で商品やサービスを売買する仕組みのことですが、実店舗へ足を運ばずとも安価で便利な買い物が可能になったことで、特に地方の衣料品販売は非常に厳しい戦いを強いられています。
SNS上でも「馴染みの場所が消えてしまうのは寂しい」「ネットで済ませることが増えたから仕方ないのかも」といった、時代の変化を憂う声や冷静な分析が多く見受けられます。消費者のライフスタイルがリアルからデジタルへ移行している波は、私たちが想像する以上に速く、そして激しいもののようです。
2020年の展望と求められる新たな商業施設の価値
2020年の新規開業予測は40施設となっており、2019年の予測値と比べても大きな変化は見られません。しかし、少子高齢化が加速する地方経済の活性化は容易ではなく、今後も利便性の高いネット通販とのシェア争いはさらに激化していくことが容易に予想されるでしょう。
私個人としては、これからのショッピングセンターには単なる「モノを売る場所」以上の体験価値が必要だと考えます。品揃えの豊富さだけではネットに勝てませんが、地域のコミュニティ拠点としての機能や、五感を刺激するリアルな体験を提供できれば、再び人々を呼び戻す光明が見えるはずです。
時代の節目となった2019年12月25日現在の状況を鑑みると、2020年は地方店を中心に淘汰が一段と進む可能性を秘めています。業界全体がこれまでのビジネスモデルを再定義し、新しい時代の「お出かけの楽しさ」をどう構築していくのか、その手腕が今まさに問われています。
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