アメカジをベースにしたセレクトショップ「フリークスストア」を展開するデイトナ・インターナショナルが、2019年3月にオープンさせた「フリークスストア 錦糸町パルコ店」(東京・墨田)が、開業直後から目覚ましい滑り出しを見せています。一般的な支持を得やすい売れ筋商品(ヒットの確率が高い、人気の主要商材)をあえて避け、バイヤーの熱いこだわりが詰まったブランドを厳選して仕入れるという、デイトナ独自の戦略が熱心なファン層をがっちりと捉えているようです。
さらに、同社の店舗としては異色の、大人びた雰囲気で統一された内装デザインも集客に大きく貢献しています。話題の複合商業施設である錦糸町パルコという好立地と、この戦略的な店舗づくりが相乗効果を生み出し、まさに人気店への道を駆け上がろうとしている状況だと言えるでしょう。
錦糸町パルコの2階に位置するこの店舗は、オープン直後から多くの人々で賑わい、特に家族連れの来店が目立っています。店内の通路は広めに確保され、落ち着いたトーンの照明が空間全体を上品に照らしています。商品だけでなく、空間を構成する什器や展示品までアメリカから買い付けているという点からも、デイトナがこの店舗に込めた強いこだわりが垣間見えます。
デイトナは、錦糸町への出店にあたり、当初はアッパー層(高所得層)を強く意識した店づくりを進めました。JR総武線や東京メトロ半蔵門線といった複数の路線が乗り入れる交通の利便性が高い立地から、錦糸町パルコには特に中~高所得層の30代から40代が多く訪れると推測したためです。このため、内装は他のフリークスストアの店舗と比較しても、特にシックで落ち着いた雰囲気を強調する方向性で統一されました。
具体的には、棚や壁面には深みのあるブラウン系の色を採用し、照明の光度を落とすことで、上品なムードを演出しています。陳列される商品も、比較的価格帯が高めのアイテムを中心に選定されていたそうです。しかし、実際の来店状況はデイトナの当初の予想を良い意味で裏切る形となりました。錦糸町パルコ全体が、想定を超える幅広い客層を呼び込んでいるのです。
その結果、フリークスストアにも本来の主要顧客層である20代はもちろん、パルコへのついでに来店するような多様な客層が連日足を運んでいます。商品の売れ行きも「価格帯に関係なく、幅広いアイテムが非常に好調に売れている」とのことで、これまでの売上高はなんと想定の2割増しという驚くべき数字を達成しているのです。
これは、デイトナが目論んだ「大人を意識した上質な空間」が、結果として幅広い層にとって居心地の良い、特別感のあるセレクトショップとして受け入れられた証拠でしょう。私個人の意見としては、価格帯のハードルを設けてもなお「良いものは良い」と評価する顧客の審美眼が、いかに現代の消費に影響を与えているかを物語っていると思います。
さて、今後の大きな焦点は、店舗の集客力のさらなる向上にあります。現状は錦糸町パルコという商業施設の集客力に乗じた部分もありますが、今後は**「フリークスストア」を目当てにわざわざ来店する固定客(店舗やブランドの熱心なファン)をどれだけ増やせるかが鍵となります。そのため、販売スタッフがインスタグラムで自社商品の洗練された着こなしを積極的に発信するなど、店舗そのもののファン育成に注力している最中です。
デイトナ・インターナショナルの最大の強みは、競合他社には真似できないユニークな品揃えです。他社の多くが仕入れる有名ブランドの「間違いのない売れ筋商材」を極力避け、自社独自のヒット商品を生み出すことを目指すのがデイトナの流儀です。同社がいち早く市場を開拓したブランドの中には、「カナダグース」や「ネペンテス」など、今や幅広い層に熱烈な支持を集めるようになったブランドも多く含まれています。
近年、スマートフォンの普及によって人々の娯楽の選択肢は増え、特に若年層の消費行動は目覚ましい多様化を見せています。一方で、ファッションにお金をかけないという層が増えているのも事実ですが、デイトナは強いこだわりを持つ商品と、他にはない店舗の世界観を構築することで、この多様な市場で明確な差別化を図れると見ているのでしょう。集客力のある新しい商業施設の勢いを見事に追い風にしつつ、独自の戦略で熱心な新しいファン層の獲得を着実に進めているのです。この戦略が、今後のセレクトショップ業界における成功の新たな方程式**となるかもしれません。
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