【2019年最新物流データ】10トントラック運賃が大幅下落?消費増税後の荷動きと年末の車両不足を徹底解説

物流業界の「今」を映し出す重要な指標が発表されました。貨物輸送の仲介サイトを運営するトラボックス(東京都渋谷区)の集計によると、2019年11月の東京から大阪間における10トン大型トラックの運賃(片道空き・帰便)は、平均6万9714円を記録しています。これは前年同月と比較して15.2%もの大幅な下落となっており、輸送現場の空気が一変している様子が伺えるでしょう。

この急激な価格低下の背景について、同社は同年10月に実施された消費増税による影響を指摘しています。増税後の冷え込みにより荷動きが鈍化しており、実際に登録された荷物情報数は13万8753件と、前年より17.9%も減少しました。いわゆる「帰便(きびん)」、つまり目的地で荷物を下ろした後の空車時間を埋めるための運賃がここまで下がるのは、荷主優位の状況が強まっている証拠と言えます。

一方で、興味深いことに4トンの中型トラック運賃は平均5万5644円と、前年比で2.5%上昇しています。大型車で一括輸送するほどの物量はないものの、小回りの利く中型車での配送需要は根強いことが分かります。SNS上では「大型の仕事が減って単価競争が激しい」「増税の影響がもろに出ている」といったドライバーの悲鳴に近い声が上がる一方で、4トン車の安定した需要に注目する投稿も見受けられました。

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年末に向けた物流業界の展望と人件費の動向

物流コストは下がっていますが、労働市場に目を向けると正反対の動きが見て取れます。2019年11月の三大都市圏におけるアルバイト・パートの平均時給は1084円と、前年から32円アップしました。また、10月時点の派遣時給も1584円と上昇傾向にあり、深刻な人手不足を背景とした人件費の高騰が続いています。物流企業にとっては、運賃収入が減る中でコストが増大する苦しい舵取りを迫られています。

私は、この運賃下落はあくまで一時的な「嵐の前の静けさ」だと考えます。トラボックスの担当者も予測している通り、12月の年末繁忙期には凄まじいトラック不足が再燃する可能性が極めて高いでしょう。荷動きには激しい繁閑の差があり、現在の低価格に甘んじていると、いざという時に「運びたくても車両が見つからない」という物流危機に直面しかねません。

世界情勢を見ても、2019年11月のアジア発米国向けコンテナ輸送量は約131万個と前年割れを起こしており、景気後退の足音が聞こえ始めています。しかし、東京都心5区のオフィス空室率は1.56%という歴史的な低水準を維持しており、国内の経済活動自体は依然として活発です。目先の運賃変動に一喜一憂せず、長期的なパートナーシップを築ける物流戦略が今こそ求められているのではないでしょうか。

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