2019年11月13日に発表された「第37回サービス業調査」の結果によると、宅配便業界の売上高は前年比で9.7%という驚異的な伸びを記録しました。この背景には、私たちの生活にすっかり定着したインターネット通販の需要拡大が大きく寄与しています。SNS上では「最近は毎日何かしらが届く」「配達員さんには感謝しかない」といった声が溢れており、ECサイトの利用がもたらす取扱数の増加が、業界全体の数字を力強く押し上げていることが伺えますね。
今回の好調を支えているもう一つの大きな要因は、2017年の秋から段階的に実施されてきた大手3社による「運賃値上げ」の浸透です。これまでは価格競争が激化しがちでしたが、適正な対価を受け取る仕組みが市場に受け入れられた形となりました。荷物を運ぶエネルギーやコストを考えると、この変化は健全なビジネスサイクルへの第一歩と言えるでしょう。各社は現在、深刻な人手不足という共通の壁に直面していますが、それでも売上は右肩上がりの推移を見せています。
大手3社の戦略と市場のダイナミズム
業界首位を走るヤマト運輸は、売上高が7.9%増加しました。同社は2017年秋、約1100社に及ぶ大口顧客を対象に、採算改善を目的とした一斉値上げを断行しています。さらに「総量抑制」という、あえて荷受けを制限する戦略を導入しました。この「総量抑制」とは、キャパシティを超える荷物を引き受けないことでサービス品質や労働環境を守る仕組みのことです。荷物の数自体は減少したものの、一単価あたりの収益が向上したことで、全体の売上増をしっかり確保しています。
一方で、佐川急便は個人向けのみならず、企業間配送(BtoB)という得意分野でその存在感を発揮しています。企業向けの配送は一度に大量の荷物を扱うため、非常に採算性が高いのが特徴です。また、3位の日本郵便は13.5%増という圧倒的な伸び率を叩き出しました。これはヤマト運輸の制限によって溢れた荷物を積極的に受け入れた結果であり、まさに業界内の勢力図が動いた瞬間と言えます。消費者としては、利便性とコストのバランスを注視していく必要があるでしょう。
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