2019年11月13日に発表された「第37回サービス業調査」の結果から、私たちの生活に身近なクリーニング業界が今、大きな転換期を迎えていることが明らかになりました。全体の売上高は前年比で0.9%減少しており、これで3年連続のマイナス成長を記録しています。かつては街の至る所で見かけたクリーニング店ですが、その風景が少しずつ変わり始めているのかもしれません。
市場が縮小している背景には、アパレル技術の進化が深く関わっています。最近ではアイロンがけを必要としない「形態安定シャツ」や、自宅の洗濯機で丸洗いできるスーツなど、いわゆる「ウォッシャブル衣料」が広く普及しました。わざわざお店に足を運ぶ必要性が薄れたことに加え、身近に増えたコインランドリーへ顧客が流れていることも、既存の店舗にとっては大きな逆風となっているようです。
SNS上では、この現状に対して「平日は忙しくてお店に行けないから、自宅で洗える服ばかり選んでしまう」といった、ライフスタイルの変化を象徴する声が多く寄せられています。また「近所の店舗がいつの間にか無くなって困っている」という切実な投稿も見受けられ、利便性を求める消費者と、維持費に苦しむ店舗側とのミスマッチが浮き彫りになっていると言えるでしょう。
時短と宅配が鍵を握る!勝ち残る企業の戦略とは
厳しい状況が続く業界内でも、独自の戦略で成長を遂げている企業が存在します。茨城県小美玉市に本拠を置く「ユーゴー」は、売上高を4.5%も伸ばして注目を集めました。同社が運営する「クリーニング専科」の強みは、店舗にクリーニング工場を併設している点にあります。これによって最短90分という驚異的なスピード仕上げを実現し、忙しい現代人のニーズを的確に捉えることに成功したのです。
また、実店舗の苦戦とは対照的に、目覚ましい躍進を見せているのが「宅配型」のサービスです。共働き世帯が一般化した現代において、重い衣類を運ぶ手間を省けるメリットは計り知れません。滋賀県彦根市の「ヨシハラ」が展開する「せんたく便」は、売上高が4.4%増加しました。インターネットで手軽に依頼し、自宅から一歩も出ずに完結する仕組みが、多くのユーザーの心を掴んでいることが分かります。
新規参入も相次いでいるこの「宅配クリーニング」という形態は、まさに現代の「タイパ(タイムパフォーマンス)」重視の傾向に合致しています。個人的な見解としても、単なる「汚れを落とす場所」から、貴重な「時間を創出するサービス」へと進化できた企業こそが、今後の市場を牽引していくはずです。デジタル技術と物流を組み合わせた新しい洗濯の形が、今後のスタンダードになっていくことは間違いないでしょう。
コメント