訪問介護の成長戦略に異変?人手不足をM&Aで打破する2019年最新の福祉業界トレンド

2019年11月06日に発表された「第37回サービス業調査」の結果から、在宅(訪問)福祉サービス市場が前年比4.7%増と着実な伸びを見せていることが判明しました。超高齢社会を背景に、自宅での生活を望む高齢者が増え続ける中で、ニーズの高さが改めて裏付けられた形と言えるでしょう。しかし、その華々しい成長の裏側では、業界特有の「人手不足」という高い壁が、各企業の命運を分ける深刻な課題として浮き彫りになっています。

訪問介護というビジネスモデルは、サービスを提供するスタッフの人数がそのまま売上に直結するという特徴を持っています。業界最大手のニチイ学館が1.1%の減収を記録した一方で、2位のツクイが5.1%増と安定した成長を見せるなど、大手企業間でも明暗が分かれました。SNS上では「家族が利用しているので人手不足は切実な問題だ」「給与面などの待遇が改善されないと、市場が伸びても現場が回らないのでは」といった、将来を不安視する声が数多く寄せられています。

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買収戦略が分かれ道!ソラストに見る急成長の処方箋

今回の調査で特に注目を集めているのは、41.8%という驚異的な増収を達成した業界7位のソラストです。同社は2017年以降、中規模の介護事業者を対象とした積極的な買収を継続しており、その成果が如実に数字へ表れました。いわゆる「M&A(企業の合併・買収)」を駆使することで、自社での採用が困難な有資格者や現場スタッフを一括して確保する戦略が、今の介護業界においては最も効率的な成長エンジンとなっている事実は見逃せません。

一方で、訪問介護の現場を苦しめているのが外国人材の受け入れに関する厳しいルールです。現在、技能実習生や「特定技能(深刻な人手不足に対応するため、一定の専門性・技能を持つ外国人に与えられる在留資格)」の枠組みは、その活動範囲が有料老人ホームなどの施設系サービスに限定されています。このため、一人で利用者の自宅を訪問する形式のサービスには従事できないという、制度上のミスマッチが解消されないまま放置されているのです。

編集者の視点から言わせていただければ、介護需要がピークに向かう中で、現場の「人」を奪い合うだけの買収合戦には限界があると感じます。今後は、M&Aによる規模の拡大と並行して、外国人材が訪問介護でも活躍できるような法整備の議論が、より一層加速することを期待せずにはいられません。業界が持続可能な成長を遂げるためには、効率化だけでなく、働く人々が誇りを持てる環境作りこそが、真の解決策となるはずだと確信しています。

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