自由気ままに旅を楽しめるツールとして、いま多くの人々から熱い視線を浴びているのがキャンピングカーです。車中泊スポットの貸し借り仲介サイトを運営するスタートアップ企業「カーステイ」(東京都新宿区)は、2020年2月にも旅行に最適な車のシェアリングサービスをスタートさせます。この新サービスの名称は「バンシェア」となっており、キャンピングカーやバンをはじめとした車中泊に適した車両を個人間で1日単位から手軽に貸し借りできる画期的な仕組みを提供予定です。
インターネット上では早くもこのサービスに対して多くの期待の声が寄せられています。SNSでは「キャンピングカーに一度乗ってみたかったけれど、購入するのはハードルが高いので嬉しい」「維持費に悩むオーナーにとっても救世主になりそう」といったポジティブな反響が続々と広がっている状況です。これまでは限られた人だけの趣味という印象が強かったキャンピングカーですが、このシェアリングサービスの登場によって、誰もが気軽に体験できる身近なレジャーへと進化していくのではないでしょうか。
利用者は好みの車を選んで指定の場所で受け取るだけでよく、料金は1泊1万円程度からと非常にリーズナブルな設定を目指しています。車両を貸し出したいオーナー側は、ホームページから車検証の写真などを登録するだけでオンラインにて手続きを完結できる手軽さが魅力です。カーステイの宮下晃樹最高経営責任者(CEO)は、万が一の事故などの事態に備えて、保険会社とタッグを組み専用の保険開発を進めていると語っており、安全面への配慮も万全な状態でスタートを切る構えです。
ここで注目したい専門用語が「シェアリングサービス」です。これは物や場所、サービスなどを多くの人で共有して利用する仕組みのことで、今回は個人の車を有効活用する「カーシェア」の形を指しています。宮下氏によると、国内のキャンピングカー保有台数は約11万台と過去15年で2倍に伸びているものの、所有者が旅行に使うのは年平均でわずか25日程度に留まっています。一方でレンタカーのキャンピングカーは全国に約1000台しかなく、需要に対して供給が追いついていません。
使われていない個人の資産を有効活用するこの試みは、非常に合理的で現代のニーズに合致していると感じます。眠っている車をシェアすることで、オーナーは維持費を補うことができ、借りたい人は安価に非日常を味わえるという、まさに双方が笑顔になれる素晴らしい取り組みです。カーステイはまず50台の登録からサービスを開始し、2020年内には100台程度まで規模を拡大する計画を立てています。
車中泊スポットの拡大と広がる旅の可能性
カーステイは2019年1月から、車中泊ができる場所を貸し借りするシェアリングサイトをすでに手掛けています。実は、道の駅などは車中泊を禁止している場所が多いため、旅行者が安心して車を停められる場所の確保は大きな課題でした。このサービスでは、利用者が車中泊可能な場所を検索し、土地の所有者に対価を支払って利用する仕組みです。栃木県日光市ではNTT東日本と協力し、同社が保有するビルの駐車場を車中泊スポットとして提供する取り組みも始まっています。
こうした企業との連携をさらに強化し、現在140カ所ある登録スポットを2020年内に500カ所まで増やすという目標が掲げられています。近年、車中泊の需要が急激に高まっている背景には、SNSを通じて定番以外の隠れた観光名所が注目を浴びていることや、場所を選ばずに遠隔地で仕事を行う「リモートワーク」の環境が整ってきたことが挙げられます。オフィスに縛られない自由な働き方が、旅と仕事を融合させる新しいライフスタイルを後押ししているのです。
さらに宮下氏は、日本を訪れる外国人観光客である「訪日客」の周遊需要も開拓したいと意気込んでいます。キャンピングカーと安心できる車中泊スポットが普及すれば、公共交通機関では行きにくい日本の地方の魅力を世界に発信する絶好のチャンスとなるでしょう。カーステイが仕掛けるこの新しいモビリティビジネスは、日本の観光業や地域の活性化に新風を吹き込む起爆剤になるに違いないと確信しています。
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