世界経済の動向に、今まさに大きな激震が走っています。金融情報端末のQUICKが2020年1月16日から2020年1月22日までの期間に集計したアクセスランキングでは、私たちの生活を脅かすニュースから市場を揺るがすビッグニュースまで、投資家の熱い視線が注がれました。
特に注目を集めているのは、中国を発端に猛威を振るう新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大でしょう。この深刻な事態は瞬く間に世界中へと広がりを見せており、2020年1月16日には日本国内でも初めての感染者が確認される事態となりました。
SNS上でも「マスクがどこに行っても売り切れている」「これからの経済はどうなってしまうのか」といった不安の声が続出しています。市場では医療用マスクや防護服を製造する企業の株価が急騰する一方で、インバウンド、つまり訪日外国人観光客による消費への依存度が高い化粧品大手の資生堂などは、観光客減少の懸念から売られる展開となりました。
このように実体経済への警戒感が強まる半面、海の向こうの米国市場は信じられないほどの熱気に包まれています。代表的な株価指標であるダウ工業株30種平均が、終値ベースで史上初めて2万9000ドルの大台を突破したのです。
アメリカの主要な株価指数が軒並み過去最高値圏を突き進む中、個別銘柄への関心も最高潮に達しています。クラウド事業の好調を背景に上場来高値を塗り替えたマイクロソフトや、環境意識の高まりで一時株価が急伸した代替肉(植物由来の人工肉)ベンダーのビヨンド・ミートなど、成長企業の解説記事にアクセスが集中しました。
日本国内で勃発した異例の「親子対立」劇
さらに国内に目を向けると、2020年1月20日に発表された前田建設工業による前田道路へのTOB、いわゆる株式公開買い付けのニュースが市場を騒がせています。これはあらかじめ期間と価格を提示して、取引所を通さずに株主から直接株式を買い集める手法を指します。
前田建設工業はグループ会社である前田道路を完全に子会社化して支配権を強めたい考えですが、対する前田道路は資本提携の解消を求めて徹底抗戦の構えを崩していません。このような親会社と子会社が真っ向から敵対する異例の構造は、今後の展開から目が離せないでしょう。
筆者の視点としては、現在の市場は新型肺炎という未知のリスクを抱えつつも、米国株の勢いに引っ張られる歪な構造にあると感じます。実体経済へのダメージが深刻化する前に、こうした有事のトレンドを冷静に見極める眼が、これからの投資家には強く求められるに違いありません。
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