緊迫化する中東情勢を背景に、私たちの生活の生命線であるエネルギーの安定確保へ向けて、大きな動きが見られました。2020年1月24日、石油連盟の月岡隆会長は定例記者会見の席上で、国や石油元売り企業が管理している「石油備蓄」について言及しました。月岡会長は、有事の際にも臨機応変にエネルギーを供給できるよう、より柔軟で機動的に備蓄を放出できる新たな仕組みの構築を検討していることを力強くアピールしています。
そもそも「石油備蓄」とは、戦争や災害といった不測の事態によって原油の輸入が途絶えた際、国内の経済や市民生活を維持するために国などが文字通り蓄えている石油のことです。日本は2019年10月の時点で、実に8198万キロリットルもの膨大な量を確保していました。これは日本国内で消費される量を基準に換算すると、およそ234日分にも上る計算になります。これほどの蓄えがある事実は、私たちにとって非常に心強い数字と言えるでしょう。
しかし、ただ備蓄の日数を誇るだけでは、変化の激しい国際情勢に対応しきれないのも事実です。そこで月岡会長は、これまでの基準にとらわれることなく、アジア諸国と手を取り合って連携を進めていく方針を国と協議していると明かしました。具体的には、アジア地域で危機が起きた際、原油やガソリンなどの石油製品を互いに融通し合える体制を目指しています。この「融通」とは、困ったときにお互いの物資を融通し合って助け合う仕組みを指します。
現在、日本が輸入する原油の約9割近くは中東地域に依存しており、その大半が海上輸送の要衝であるホルムズ海峡を通過しています。アメリカとイランの対立が激化する中、もしこの海峡が封鎖されれば、日本への供給がストップしかねないという懸念は拭えません。単に自国に石油を溜め込むだけでなく、国際的なネットワークを構築して臨機応変に対処しようとする今回の新方針は、日本のエネルギー安全保障において極めて先進的で、本質的なアプローチだと評価できます。
この会見を受けて、SNS上でも多くのユーザーが関心を寄せています。ネット上では「200日分以上の備蓄があるならひとまず安心だ」と胸をなでおろす声がある一方で、「中東に頼りすぎる現状を根本から変えるべきではないか」という鋭い指摘も目立ちました。さらに、アジアとの連携案に対しては「お互いの信頼関係が試される局面だ」といった期待と慎重論が入り混じるなど、エネルギー問題に対する国民の意識の高さがうかがえる反響を呼んでいます。
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